適正な利益率は「業種」によってさまざま
経営の指標として、「利益率」は非常に重要です。では、どれくらいの利益率を目指すのが適切なのでしょうか? 目安は10〜15%です。
少々独特かもしれませんが、わたしたちの会社を例にお話しします。一概に適切な利益率と言っても、それは業種や業態によってかなり異なるでしょう。いわゆる「サービス業」の利益率は、原価がない分、高くなりますよね。
わたしたちの会社もサービス業であるうえ、売上に対して従業員の数が著しく少ないなかで運営しています。ですから、いわゆる「販売費及び一般管理費(販管費)」もかかりませんし、原価もありません。事務所の家賃や通信費、会議費、旅費交通費などといった間接費だけで終わってしまいます。
高すぎる利益率も一概にいいとは言いきれない
わたしが考えているのは、利益率が高すぎてもよくないのではないか、ということです。あまりにも利益率が高すぎると、ひとり勝ちしているようなイメージを持たれてしまうのではないかと思っているのです。ひとりだけ利益を得ているのではないかと思われるのは、本意ではありません。
実際の決算では、経常利益が10〜15%くらいは残っています。一方で、利益率がこれ以上切ってしまうとよくないと思う基準は、5%です。5%を切ってしまったら、かなり大変な状態と言えます。
会社というのは、経費で落とすことでうまく業務がまわっている部分があります。決算の利益だけでは語れない、見えない裏側もあるはずです。適切な利益率について一概に言えないのは、そういった側面があるからなのです。
「対金融機関」は、利益率が意味を持つ
ただし、「対金融機関」を考えたときには、数字をきれいにしておく必要があります。経理資料のつくり方については、税理士さんのノウハウに関わる部分です。顧問税理士さんがうまく振り分けてくれることによって、見え方がまったく違ってきます。
できれば、利益率が高いことがわかる経理資料をつくれるプロに、サポートをお願いしたほうがいいでしょう。経営は、売上でなく、利益率で判断したいですね。