「高すぎる利益率」がまさかの“不本意な結果”に…。「税理士の腕」で経理の“見え方がまったく異なる”という事実【経営のプロが解説】

「高すぎる利益率」がまさかの“不本意な結果”に…。「税理士の腕」で経理の“見え方がまったく異なる”という事実【経営のプロが解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

お金のことを気にすることなく会社を運営できれば気楽でしょうが、残念ながらそうではありません。経営に携わるかぎり、いつ何時でも資金繰りは切り離せない問題です。2020年に世界が一変してから、お金のことにより向き合わざるをえなくなった社長は数多くいるはずです。多くの経営者が必要とするお金に関する知識と、考え方について、大林誠一氏の著書『社長のためのお金のトリセツ』(かざひの文庫)で解説します。

適正な利益率は「業種」によってさまざま

経営の指標として、「利益率」は非常に重要です。では、どれくらいの利益率を目指すのが適切なのでしょうか? 目安は10〜15%です。

 

少々独特かもしれませんが、わたしたちの会社を例にお話しします。一概に適切な利益率と言っても、それは業種や業態によってかなり異なるでしょう。いわゆる「サービス業」の利益率は、原価がない分、高くなりますよね。

 

わたしたちの会社もサービス業であるうえ、売上に対して従業員の数が著しく少ないなかで運営しています。ですから、いわゆる「販売費及び一般管理費(販管費)」もかかりませんし、原価もありません。事務所の家賃や通信費、会議費、旅費交通費などといった間接費だけで終わってしまいます。

 

高すぎる利益率も一概にいいとは言いきれない

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

わたしが考えているのは、利益率が高すぎてもよくないのではないか、ということです。あまりにも利益率が高すぎると、ひとり勝ちしているようなイメージを持たれてしまうのではないかと思っているのです。ひとりだけ利益を得ているのではないかと思われるのは、本意ではありません。

 

実際の決算では、経常利益が10〜15%くらいは残っています。一方で、利益率がこれ以上切ってしまうとよくないと思う基準は、5%です。5%を切ってしまったら、かなり大変な状態と言えます。

 

会社というのは、経費で落とすことでうまく業務がまわっている部分があります。決算の利益だけでは語れない、見えない裏側もあるはずです。適切な利益率について一概に言えないのは、そういった側面があるからなのです。

 

「対金融機関」は、利益率が意味を持つ

ただし、「対金融機関」を考えたときには、数字をきれいにしておく必要があります。経理資料のつくり方については、税理士さんのノウハウに関わる部分です。顧問税理士さんがうまく振り分けてくれることによって、見え方がまったく違ってきます。

 

できれば、利益率が高いことがわかる経理資料をつくれるプロに、サポートをお願いしたほうがいいでしょう。経営は、売上でなく、利益率で判断したいですね。

※ 本連載は、大林誠一氏の著書『社長のためのお金のトリセツ』(かざひの文庫)より一部を抜粋し、再編集したものです。

社長のためのお金のトリセツ

社長のためのお金のトリセツ

大林 誠一

かざひの文庫

2020年に世界が一変してから、お金のことに向き合わざるをえなくなった社長は数多くいるはずです。 お金に対する基本の考え方、税金の扱い方、融資や資金繰り、雇用に関する知恵、交渉や未来の戦略のこと…。 お金から目を…

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