「こんな生活、つらすぎる」働く母の悲鳴…岸田首相「異次元の少子化対策」宣言も虚しく…育児休業制度に「早くも垂れ込める暗雲」

「こんな生活、つらすぎる」働く母の悲鳴…岸田首相「異次元の少子化対策」宣言も虚しく…育児休業制度に「早くも垂れ込める暗雲」
(※画像はイメージです/PIXTA)

岸田首相が施政方針演説で宣言した「異次元の少子対策」に関連して、「児童手当」の所得制限の撤廃が与野党を問わず俎上に上げられています。しかし、それと同じくらい重要なのが、母親・父親が子育てと仕事を無理なく両立できる環境の整備です。本記事では、その中核をなす制度である「育児休業制度」を取り上げ、現状と問題点について整理してお伝えします。

育児休業制度とはどんな制度か?

育児休業とは、子を養育する労働者が法律に基づいて取得できる休業をさします。雇用保険法という法律上の制度なので、雇用主が育児休の制度を設けているかどうかに関係なく、当たり前に取得できるものです。

 

育児休業の期間は、原則として、子が1歳になるときまでです。

 

ただし、父母ともに育児休業を取得する場合には、子が1歳2ヵ月になるときまでの間で1年間取得できる制度もあります。「パパ・ママ育休プラス」ともよばれます。

 

なお、本来の期間が経過する時点で、保育所に空きがないなどの特別な事情があれば、子が2歳になるときまで延長することができます。

育児休業を担保する「育児休業給付金」

「育児休業給付金」は、出産から8週間経過後に「育児休業」を取得すれば、受け取ることができます。金額は以下の通りです。

 

・180日目まで:標準報酬月額の3分の2

・181日目以降:標準報酬月額の2分の1

 

受給期間中の社会保険料は免除されます。

育児休業を取得する要件

育児休業を取得する要件は、母親、父親を問わず、以下の通りです。

 

・同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

・子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約の期間(更新がある場合は更新後の期間も含む)が満了することが明らかでない

 

ただし、労使協定を設けることにより、以下の要件をみたす労働者を対象外とすることができます。

 

・引き続き雇用された期間が1年未満

・育児休業を申し出た日から起算して1年以内に雇用関係が終了することが明らか

・1週間の所定労働日数が2日以下

 

雇用主は、労働者が育児休業の取得を申し出たこと、あるいは育児休業を取得したことを理由として、解雇その他の不利益な取り扱いをすることを禁止されています。

「分割取得」もできる

育児休業は、分割して2回まで取得することもできます。

 

たとえば、父親がいったん育児休業を取得したあと、母親の職場復帰をスムーズに行うために、父親が再度、職場復帰等のタイミングで育児休業を取得することができます。

1歳以降に育児休業を延長する場合の開始日の柔軟化

子が1歳に達した時点で、保育所に入所できないなどの特別な事情がある場合については、上述したように、育児休業を子が2歳になるまで延長することができます。

 

この場合も、育休開始日を柔軟に設定でき、かつ、2回に分けて取得することができます。これにより、父親と母親が交代で育休を取得することもできます。

 

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