産後パパ育休(出生時育児休業)
なお、父親が育児休業自体とは別に取得することができる「産後パパ育休」についても触れておかなければなりません。
これは2022年10月から新たに始まった制度で、父親が子の出生後8週間以内に、4週間(28日)以内の期間を定めて取得できる休業です。
父親が出産直後の母親と子を支えるためのものです。
合計4週間まで取得でき、かつ、分割して2回まで取得することもできます。たとえば、出生時・退院時に1回取得し、後でさらにもう1回取得することもできるのです。
産後パパ育休を取得した父親は、「出生時育児休業給付金」を受け取ることができます。金額は以下の式により算出されます。
現行の育児休業制度の問題点
わが国で少子化が深刻化した根源的な要因は、以下の3つに集約されます。
・実質所得の減少により経済的余裕がなくなっている
・学費が高騰している
・仕事と子育ての両立が難しい劣悪な労働環境と社会風土
育児休業制度は、子育ての初期に限定されています。しかし、育児休業を最大限に取得したとしても、子どもはまだ2歳です。子育てはそのあとも果てしなく続きます。
そうであるにもかかわらず、長時間労働が常態化し、あたかも労働者には家庭生活がないかのような扱いが、放置されてきたのです。
とりわけ、犠牲になってきたのは母親です。子育ての負担は母親のほうが重く負わされ、女性が勤務先を退職しなければならなかったり、キャリアアップを諦めざるをえなくなったりという実態が当然のように放置されてきました。
男性の育児休業の取得も、まだまだ一般的ではなく、職場によっては難色を示されることもしばしばです。
重要なのは、育児休業の制度を充実させることと、実効性を確保することです。
ところが、法令に違反した事業者、あるいは非協力的な事業者に対するペナルティは、以下の通り、「氏名公表」「過料」程度の軽度なものにとどまっています。
1. 労働局から助言・指導・勧告を受けたのに従わない場合は、企業名が公表される
2. 労働局長から実施状況につき報告を求められた場合、報告を怠ったり虚偽の報告をしたりすると20万円の過料が課される。
なお、「過料」は文字通り「あやまち料」で、同音異義語でごく軽微な刑罰の一種である「科料」(とが料)よりさらに軽いものです。行為態様の悪質性の高さに鑑みれば、この程度でペナルティになるというのはあまりに悠長な料簡といわざるをえません。
ルールを策定する側が、事の重大性を認識していないことのあらわれといえます。
岸田首相ならびに政府・与党がもし本気で少子化対策に取り組むというのであれば、育児休業制度のさらなる充実、労働者の育児休業の取得に協力的でない事業者・法令違反の事業者へのペナルティの強化など、実効性を確保するための措置が急務であるといえます。
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一級建築士、土地家屋調査士、
不動産鑑定士、相続専門税理士
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