トヨタ自動車の「視点をずらす」発想法
■異質なもの2つをくっつける発想法
これは定番の方法です。まったく異なる2つの物をくっつけて、あとはじっくり考えることで、これまで考えつかなかった「何か」が生まれ出るのです。
テーマ:月とすっぽん
「月見玉子のすっぽん鍋」
「タートル交通の月旅行」
「亀の餅つき印の、う~ん、何か」
テーマ:窓とリンゴ
「りんご型窓クリーナー」
「リンゴの形の家に大きな窓のバーモントハウス」
「ガラス製リンゴカッター」
まったく異なるものの組み合わせでも、少し考えるだけでいろんなアイデアが出てきます。
「ダメだよそんなの!」のような否定的な意見はNGです。どんどん楽しみながら出していくことが大切です。
「それ、いいねぇ!」というアイデアが出てくる定番の方法ですのでぜひやってみてください。
■似たものを考える発想法
これも定番の方法です。対象のものと似たものを考えるのです。これは、似ているけど全然違うというのが大切です。トヨタ自動車では「視点をずらす」や「横展」として定着している発想法でもあります。
「粉末ソースがあるんだから、粉末ウーロン茶があってもいいよね。」
「カップ焼きそばとかカップラーメンがあるんだから、カップ餃子があってもいいかもね。」
「電子パーツ型食品なんてどう?」
似てるものなら何でもいいのです。とにかく思いついたものをどんどん出していきます。
「そんなのダメだよ」「バカじゃないの!?」のような否定的な会話はNG です。
楽しみながら出していくうちに「お! それイケそうじゃん!」というものが出てきます。
ぜひやってみてください。
■逆から考える発想法
これもまた定番ですね。「あえて逆」を考えるのです。
上下を逆さまにしたら、大人と子供を入れ替えたら、ゴールからさかのぼったら、といったように逆からの視点で物事を発想する方法です。
「お勉強は時間がかかるしツライけど、技術を身につけるためには避けられないですよね。だからこそ……。たった1日で身につけられる、お勉強禁止のプログラミング教室ってのはどうでしょう?」
実は、私が東京・秋葉原でやっているプログラミング講座がそれです。研修やセミナーといった勉強を、「お勉強」せずに楽しく、自然に知識が身につくのであれば、受講者に負担がかかりません。あえて、「お勉強禁止」をうたった講座は他にありません(これがうけて、好評です)。
「飲料の新商品を企画するとき、逆から発想するとどんなものがあるだろう?」
点滴で皮膚から入れる栄養液を飲むことはできないか、汗として出すものを飲めないか、塩まんじゅうのようなしょっぱいジュースはできないか。
こんな発想からポカリスエットという大ヒット商品が生まれたそうです。清涼飲料水はフルーティーで甘いものという固定観念に縛られていたら、絶対にできない商品です。
「飛行機の機内サービスをより充実させるのではなくて、逆になくしちゃったらどう?」
機内サービスは充実しているほどいい、この逆の発想です。
機内食なし、ドリンクのサービスなし、新聞・雑誌の提供もなし。乗務員も最低限の人数でこなす。こうして誕生したのが格安航空会社です。
「ドリンクや食事は空港で済ますことができるし、それだけで航空券が安くなるならそっちのほうがいい」というニーズを掴みました。