マトリックスを使ってアイデアを出す
■アイデアを浮かび上がらせる「マトリクス活用法」
これまでお伝えした考え方、方法はどちらかというと偶然に任せる要素が強いです。
「もっと確実にひねり出す方法はないの?」
ありますよ。ここではマトリクスを使ってアイデアを強制的に浮かび上がらせる方法をお伝えします。
「『偽善』って言葉があるけど、反対は何だろ?」
「偽じゃないから偽を取ってただの『善』じゃない?」
「でも『悪』の反対が『善』だよね。」
同じ単語なのに反対語が2種類出てきてしまいました。
これは何かを発見するチャンスです!
まずはこんな表を書いてみるのです。
「この空いてるところ何だろ?」
「ん~~、偽悪?」
「そんな言葉あったっけ?」
「ちょっと調べてみる」
調べてみると、あまり使わないだけで、実際にはそういう言葉が存在していることがわかりました。
このように、マトリクスを書くことで「謎のマス」が現れたら、それはイノベーションの種かも知れません。マトリクスは必ずしも2×2である必要はありませんよ。
その例を見てみましょう。
「ラーメンってしょうゆ、みそ、塩ってあるよね。」
「こんな感じかな。」
「そういえば、やきとりも塩とかしょうゆダレとかあるでしょう。」
「こんな感じかな。あれ??」
「そうなんだよ。みそダレのやきとりって聞いたことないんだよね。ちょっと調べてみて。」
「あるにはあるみたい。でも確かに少ないかもね。あれ!? すごい情報見つけちゃった! 埼玉県東松山のやきとりはみそダレが基本で、しかもトリ肉じゃないんだって。」
「やきとりなのにみそダレで、しかもトリ肉じゃないってどういうこと!?」
マトリクスはいろんな形が考えられます。まずは書いてみることです。すると、空いたマスが見つかります。そこがまだ話題に出ていない「何か」です。何だかわからないけど、何かが存在することは確かです。
あとは調べればいいのです。情報がたくさん出てくればすでに誰かがやっているか、自分たちが知らなかっただけです。
「とんこつを忘れてない?」
「うわ! もしかして大発見!? よし、まずは東松山に行ってみそ味の調査、それからとんこつ焼き鳥を徹底的に調べてみよう!」
もし簡単に情報が見つからなければ、イノベーションの種かも知れません。
現地に行ってみる、買ってみる、食べてみる、読んでみる、触ってみる、いろんな調査の可能性が出てきます。
マトリクスにすることで、イノベーションの種を偶然のひらめきに任せるのではなく、強制的に浮かび上がらせることができるのです。