生麺やきそばの実現性を議論
■「生麺やきそば」は実現するか?
現在時刻 12:02:30
露地くん「ペヤングが頭から離れないけど、生麺もいいな~ここで料理できたっけ?」
井ノ辺さん「物置になっちゃってるけど、実はそこキッチンなの。片づければ使えるわよ。」
出来内くん「フライパンないよ」
露地くん「え~~ !? それ早く言ってよ」
井ノ辺さん「だいじょうぶ。鍋があるから。」
出来内くん「フライパンじゃないと炒め物できないでしょ。常識でしょ。」
井ノ辺さん「鍋で炒めればいいでしょ。」
露地くん「なるほど……」
出来内くん「だめだよ。うちガス契約してないから。」
露地くん・井ノ辺さん「がーん……」
井ノ辺さん「電気ポットで作れない?」
露地くん・出来内くん「さすがにそれはムリ……」
■「生麺やきそば」建設的に却下
生麺やきそばの実現性について議論しましたが結論は「却下」。
しかし、この議論は建設的だったと言えます。ひとつひとつ分析していきましょう。
まず、露地くんが「ここで料理できたっけ?」と投げかけています。実現性を探り始めた瞬間です。硬直した組織ではこの瞬間誰かが制止し、何も新しいことは起こりません。
次に、井ノ辺さんが解決案を出しています。硬直した組織では解決案の代わりにできない理由を返すことでしょう。
「片づけしなくちゃいけないだろ!」とか「そのキッチン使ったことないんだよ!」のような返しです。
「片づければキッチンが使える」は「片づけなくちゃいけない」より建設的な考え方です。どちらも片づけるという労力は同じなのに、井ノ辺さんの案には実現性があります。
「コップに半分も水がある」と「コップに半分しか水がない」は有名なコップ理論ですが、まさにこれです。あなたの会社にも両派いるんじゃないですか?
さて、井ノ辺さんが実現性のある案を出しても、やはり出来内くんが「フライパンがない」というできない理由を返しましたね。露地くんもがっかりしたとおり、ここで終わる場合も多いのです。
だからこそ斬新な代替え案を出せるかどうかが勝負なのです。
井ノ辺さんの「鍋で炒めればいい」案は秀逸です。露地くんもそこまでの発想はなかったようです。どこまでも実現可能性を探り続けることが大事です。
しかし、出来内くんに「ガス契約してないから」とトドメを刺されてしまいました。これが事実ならキッチンを片づけてもムダです。通常ならここで議論終了です。
しかし、この議論が建設的なのは、井ノ辺さんが最後まで諦めなかったことです。
「電気ポットで作れない?」
これは当の井ノ辺さんも本当はダメだとわかっていたかもしれません。それでも提案することに意味があるのです。
結論は生麺やきそば却下となりましたが、電気ポット案が出たところで、もうこれ以上ないというところまで到達したのです。
その結果としての却下です。全会一致での却下なのです。
あなたの会社はここまで議論をしていますか?