収入減、“相続財産への期待”が高まるも…「昭和初期生まれの長男」がいると遺産分割で揉めるワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

佐藤良久/松村茉里/竹内宏明/森田努/川端ゆかり/高田江身子/杉森真哉/黒川玲子/中村剛/山田隆之氏の共著『そうだったのか! 相続のトリセツ』より一部を抜粋・再編集し、遺産分割で揉める理由についてみていきます。

なぜ遺産分割で揉めるのか

[図表1]は家庭裁判所で取り扱われた遺産分割事件の件数です。

 

これを見てみると若干の増減はあるものの、遺産分割事件の件数は増えており、平成21年の1万741件から令和元年の1万2785件まで約2000件増えており、率にすると約19%もの増加となっています。この数字は遺産分割に関するものだけですので、遺産分割後の共有不動産の解消に関するものも含めるとその件数はもっと多いことになります。

 

[図表1]遺産分割事件の件数

 

このように(共有不動産の解消も含めた)遺産分割に関する揉め事は近年大幅に増加しています。それには社会的な背景が関係していると思われます。

 

昭和22(1947)年5月2日までは、旧民法によって相続は家督相続によってなされ、被相続人である戸主が亡くなった場合、長男がすべての遺産を継承・相続することとされていました。

 

家督相続においては、長男の権限は非常に強く、その一方で長男が家を守るというその責任も大きいものでした。家督相続は昭和22年に制度としては廃止されました。

 

しかし、家督相続の影響がいまだに残っていることから揉め事に発展するケースがあります。例えば次のような場合が考えられます。

 

・被相続人が事業を行っていて、その事業を長男が引き継ぐことになり、事業とともに遺産の大部分を相続する。

 

・被相続人の家系は先祖代々その土地に住み、家を守り、大きくしてきた。その先祖代々の土地を守るため、実家に残った長男が遺産の大半を相続する。

 

昭和の初期生まれの世代は自分も家督相続により資産を受け継いできており、「長男が家を守る」という考え方が残っているため、現役世代とのギャップが生じがちです。これは、長男にとっては有利ですが、他の相続人にとっては不利な考え方になります。

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    本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『そうだったのか! 相続のトリセツ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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