【間違いだらけ】昭和の「部活指導」をあざやかに回避した、帝京野球部の監督「絶対にやってはいけない」選手をつぶす指導法

【間違いだらけ】昭和の「部活指導」をあざやかに回避した、帝京野球部の監督「絶対にやってはいけない」選手をつぶす指導法
(※写真はイメージです/PIXTA)

才能や素質のある部下に出会ったとき、能力を最大限発揮できるようにするために、上司はどう指導すればよいのでしょうか。本連載では帝京高等学校硬式野球部名誉監督の前田三夫氏が、著書である『いいところをどんどん伸ばす 帝京高校・前田流 「伸びしろ」の見つけ方・育て方』から、監督時代の経験に基づく指導者としての態度や接し方について解説します。

「正しい努力」を続けないと、間違った方向に進んでしまう

それだけではありません。体の可動域についても、正しい姿勢でストレッチを行なうことで、徐々に可動する範囲が広がっていく。ひいては肩甲骨や股関節といった、野球で最も使う箇所の可動域が広がることにつながり、柔らかい体を手に入れることができるというわけです。

 

私にしてみれば、まさに目からうろこでした。がむしゃらにウエイトトレーニングやストレッチをやっても、それでは選手たちにとって思うような効果が得られないどころか、最悪故障の原因へとつながってしまいます。

 

そうしたことを知らずに、指導者がただ「体の成長につながるから」というあいまいな理由でウエイトトレーニングやストレッチをやったところで、思うような効果は得られないのです。選手にしてみれば、百害あって一利もない結果となってしまいます。

 

私は「たとえ実績のある指導者であっても、知らない分野はある」という謙虚な姿勢を持つことは大切だと思っています。 野球の技術の知識だってそうです。内野手が打球を捕ってから投げるまでの一連の動作ひとつとっても、20年前と今では大きく違います。大学でプレーしているOBたちから、私が知らなかった野球の技術の話を聞くことも決して珍しいことではありません。

 

そこで得た知識を実際に選手に試させてみて、しっくりいっているようだったら取り入れてみる。新しい技術を身につけようとしてしまったがために、それまで持っていた長所を失ってしまうようだったら、「今のはやめておこうか」とストップをかける。こうした判断をすることも指導者には必要なことなのです。

 

みなさんも、もし知らないことがあったら、謙虚な姿勢で一から学んでみるといいと思います。「習うは一生」という言葉があります。

 

人には学ぶべきことが無限にあるから、いくつになっても学ぶ姿勢を持つことが大切です。それまで目にしたことも耳にしたこともない情報を入手したときには、どん欲に吸収する姿勢を持つことが大切になってくるのです。

 

■前田の法則

 

知らないことに直面したら、謙虚に学ぶ姿勢を持つ

 

 

前田 三夫

帝京高等学校硬式野球部

名誉監督

 

※ 本連載は、前田三夫氏の著書『いいところをどんどん伸ばす 帝京高校・前田流 「伸びしろ」の見つけ方・育て方』(日本実業出版社)から一部を抜粋し、再構成したものです

いいところをどんどん伸ばす 帝京高校・前田流 「伸びしろ」の見つけ方・育て方

いいところをどんどん伸ばす 帝京高校・前田流 「伸びしろ」の見つけ方・育て方

前田 三夫

日本実業出版社

◎全国制覇3回、甲子園通算51勝(夏30勝、春21勝) 希代の名将がはじめて明かす 最大限の力を引き出す最適な努力 甲子園の名将として知られ、数多くのプロ野球選手を輩出してきた帝京高校・前田三夫名誉監督。 監督が語る「…

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