(※写真はイメージです/PIXTA)

社会生活において「同調圧力」と無縁でいられる人はほとんどいません。他者からの同調圧力に苦しむ人が多いのはもちろん、自分自身、無意識のうちに同調圧力に加担してしまうことさえあります。本連載では、心理カウンセラーの大嶋信頼氏が、著書『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、同調圧力の正体と、上手に受け流すコツや考え方について解説します。

「他人重視」に戻らない勇気

ただ、私がこれまで述べてきた話に、あまり納得がいかない人もいるでしょう。

 

私だって、「自分中心な生活をしていたら、周りから嫌われて、精神的にも落ち着かないんじゃない?」と思ってしまう気持ちはわかります。

 

でも、そういう思いが混じり込んでしまうと、結局は「周りの人を中心に考えなきゃ」という従来の生き方にだんだんと戻ってしまいます。

 

だから、スイッチを切り替えてみましょう。

 

モデルにするために、みなさんの周りや著名人などの中で、「あの人は誰かから制限されずに、自由に生きているな」と感じる人がいたら、思い浮かべてみてください。

 

彼らは、他人優先で我慢しているようにみえるでしょうか?

 

真っ向から誰かと闘っているでしょうか?

 

きっと答えは否のはずです。

 

そういった人は、自分を一番に大切にしていないでしょうか?

 

そして、周りに合わせにいくのではなく、「私はこういう人です」ということを明確に表に出していないでしょうか?

 

自分を大切にして、本当の自分を隠さないからこそ、その人に接する相手のほうが、「〇〇さんはこういうことしない人だよね」「××さんにこんなことを求めても違うよな」と汲みとってくれるようになる―。

 

普段、同調圧力をかけるような人でも、その人の前では不思議といい人になってしまう―。

 

同じことをしているのに、怒られたり圧力をかけられる人と、なぜだかいつも許されたり圧力をかけられない人というのは、ここに差があるのです。

責任は、自分に対してのみ負う

結局、精神的に安定している人というのは、このように「私は私」という感じで、自分の感覚にだけ責任を持って、淡々と生活することができています。

 

もし、他人の気持ちや感覚にまで責任を感じてしまったら、何かあったときに正解が自分にはわからないので「どうしたらいいの?」と、ネガティブな思考がとまらなくなってしまうでしょう。

 

でも、自分の気持ちだけに集中すると決めていれば、「あの人は、千差万別ある受けとり方の中で『怒る』を選択しただけ」「その受けとり方は相手の自由であり、私がコントロールして責任を負うべきものではない」と、自分と他人の間に明確な線を引けるので、ネガティブ風なことがあっても不安になることが格段に減るのです。

 

しかも、「私は私」で自分を中心にやっていると、「人に期待しない」ことにもなるので、何か不快なことがあったとしても「これは自分の受けとり方の問題だな」と気がつけます。

 

すると、人のせいにする気にならなくなるので、周囲に対しても不満が湧かない。

 

周りに対して、自分の正しさを主張する必要もないし、自分中心だから周りの考え方を変える必要もない、と思えるのです。

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誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法

大嶋 信頼

祥伝社

心理カウンセラーによる「同調圧力」対策の本、できました! 近年、「同調圧力」という言葉を目にする機会が増え コロナ禍によって一気に一般化しました。 そうした中で、「同調圧力」について 評論されることも増えま…

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