(※写真はイメージです/PIXTA)

コンサルタントである松本繁治氏の著書『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』より一部を抜粋・再編集し、日本の「食料自給率の低下と不耕作農地の増加」について見ていきます。

食料自給率の低下と不耕作農地の増加

随分前から取りざたされている問題の一つに、戦後一貫して食料の自給率が低下している事が挙げられる。国防上、食料を自給できない事は危険であるが、この問題点について国はあまりにも無頓着である。

 

イギリスもかつては自給率が低かったが、最近はかなり自給率を上げてきている。日本の場合も下げ止まっている様ではあるが、まだまだ他の先進国と比べて大変低いレベルにある。

 

但し、自給率が低いと云っても、これはカロリーベースでの計算結果であって、生産額ベースではイギリスやドイツと遜色ないレベルにある。但し、日本で生産される食糧は高いので、生産額で計算すると自給率が高めに算出される様である。

 

因みに令和2年度の自給率はカロリーベースで37%(=1人1日当たり国産供給熱量〈843kcal〉/1人1日当たり供給熱量〈2269kcal〉)、生産額で67%(=食料の国内生産額〈10.4兆円〉/食料の国内消費額〈15.4兆円〉)となっている。因みに、年間2500万トンもの食料が廃棄されていて、これらはカロリーベースの計算には含まれていない。

 

これが意味している事は、食料を作っても廃棄される量が多いため、カロリーベースの計算をすると低くなってしまうとも考えられる。また、果物や牛肉等の日本の食料の一部は高級志向であるため、カロリーベースの計算では低いが、生産額ベースでは高くなる原因の一つと思われる。

 

農水省は自給率が低い事を説明する際にこのカロリーベースで語るが、何を問題点としているのかサッパリ見えてこない。

 

カロリーベースの計算を使わなくても自給率が低い事には変わりはないが、食料の廃棄の多さも問題点にしたいのかが見えてこない。ただこの数値のカラクリについては深入りせず、この程度に留めておこう。

次ページ愚の骨頂…問題を塗り重ねていく「日本の農地」の実態

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    ※本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『壊れたニッポンを治す為の21の処方箋』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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