ユーロ高・米ドル安に注目
先週にかけての米ドル安値更新は、対円に限ったことではなく、対ユーロなどでも同様でした。ただ、対円での米ドル安は、日米の2年債利回り差と比較すると「行き過ぎ」懸念が強いのに対し、対ユーロでの米ドル安は独米2年債利回り差と比較してもある程度正当化されるといった違いがあります(図表4、5参照)。
こういったことから私は、米ドル安の主導役は対ユーロ、つまりユーロ高・米ドル安であり、その意味ではユーロ高・米ドル安の一巡が、米ドル/円も含めた米ドル安全体が一息付く目安になるのではないかと考えてきました。
そんなユーロ/米ドルも、ユーロ高・米ドル安が進むなかで、徐々に短期的なユーロ「上がり過ぎ」、米ドル「下がり過ぎ」の懸念が拡大してきました。
90日MAかい離率を参考にすると、ユーロ/米ドルは同かい離率が5%以上に拡大すると短期的なユーロ高・円安の「行き過ぎ」懸念が強まりますが、先週にかけて同かい離率はまさに5%を大きく上回ってきたのです(図表6参照)。
対ユーロでの米ドル安が行き詰まると、対円での米ドル安は、上述のように金利差から見ると「行き過ぎ」懸念も強いだけに、その反動が入る可能性もでてくるのではないでしょうか。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円は米ドル安が行き詰まり、反転に向かうといったイメージから、125~130円中心のレンジで想定したいと思います。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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