「肉の食べすぎ」は身体に良くないとされるが…
中国では昔から、豚肉から脂をとって料理に使う習慣が根付いていました。中国料理の歴史は豚脂から始まるといっていいくらい、ポピュラーな脂です。
豚脂や豚肉を使った料理はこってりした旨みが食欲をそそり、またカロリーも高いので、昔の人にとっては身体を温め活動に必要なエネルギー源としても貴重な食材でした。
しかし現代においては、健康志向の人の間で、肉の食べすぎは身体に良くないという考え方が広まっているようです。中には、肉を極端に避けて、食べないようにしている、という人もいると聞きます。
確かに、肉をたくさん食べすぎると、腸の中で腐敗しやすくなり、インドールという発がん性物質を発生させるなどの健康面への悪影響が懸念されます。また、動物性脂肪も過剰にとれば、肥満のもとになり身体には決して良くありません。
しかし、一方で、肉にはタンパク質をはじめ、ビタミンや鉄分といった身体に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。特に、普段から疲れやすい人や、仕事が多忙などで体力を消耗したときには、肉、とりわけ豚肉を積極的に食べることをおすすめします。
「ビタミンB1」をはじめとした栄養素が豊富な豚肉
豚肉には、ビタミン類の中でも、ほかではなかなか十分な量を摂りにくいビタミンB1が豊富です。ビタミンB1はご飯やパンなどの糖質の代謝を助け、効率良くエネルギーに変えてくれますので、米を主食にする日本人には欠かすことができません。
また、豚肉をはじめ動物性食品に含まれている鉄分は、ヘム鉄といって身体への吸収が良く利用されやすいことがわかっています。そのほか、骨や歯をつくるのに欠かせないミネラルであるリンも、豚肉には豊富に含まれています。
豚肉を食べることで、体力がつき、免疫力アップも期待できます。肥満が気になる人は、ヒレ肉などの脂肪分が少なめの肉を選ぶと良いでしょう。