前回は、「RC造マンション」の大家になるべきではない理由を見てきました。今回は、「鉄骨造マンション」の大家になるべきではない理由を説明します。

建築費がかかる割に、性能は木造とほぼ同じ

前回の続きです。RC造を避けるべきとなると、鉄骨はどうでしょうか。

 

木造は建築費が安い。RC造はプレミアム感があり、遮音性が高い。しかし、鉄骨は明確なメリットが実は見当たりません。まずRC造ほどプレミアム感をもってもらえない割には建築費がかかる。にもかかわらず耐震性や断熱性などの建物性能は木造とそれほど変わりません。

 

「木と鉄では鉄の方が強いに決まっている」と思うかもしれません。たしかに同じ太さ・長さの柱を比べたら鉄の方が強度はあるでしょう。しかし、建物の耐震性は全体のバランスで決まります。木には素材自体が軽いというメリットがありますし、計算によって適所に金具などを用いれば、木造も鉄骨も耐震性能に差は生じないのです。

 

また、断熱性に関しては断熱材の質・量によって決まるものなので、構造材の違いはあまり関係ありません。ただし、遮音性に関しては、隙間なく鉄筋コンクリートで囲まれているRC造が有利です。

入居者から見ても「中途半端」な鉄骨マンション

これらの建物性能は、建築基準法などの法令によって一定以上のレベルにするよう定められており、その基準は構造によって区別されているわけではないのです。

 

それなのに鉄骨が木造よりも家賃を高めに設定されるのはなぜか。それは建築費が高いから。つまり「木造と同等にはしたくない!」というオーナーの気持ちが家賃に乗っているだけなのです。

 

木造と鉄骨を同条件で比べたら、入居者は鉄骨を選ぶ傾向はあるでしょう。しかしそのような人は、どうせ高い家賃を払うなら、とRC造に流れていきます。鉄骨は中途半端なのです。

 

強いて鉄骨を選ぶ理由を探すなら、木造では法律上の問題などで実現が難しい4階建て以上の建物の場合、建築費がRC造よりも安価になることくらいです。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

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田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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