前回は、アパート経営の事業計画で重要な「部屋単価」という考え方を説明しました。今回は、「掘り出し物の土地」を持ってくる不動産会社の見極め方をご紹介します。

質問に対して安易な回答をする会社はNG

掘り出し物の土地、つまり費用対効果の高い土地を手に入れるには、とにかくアパート専門の不動産会社を見つけることが先決です。優れたアパート専門の業者ならば、「安いからお買い得です」とは決して言いません。「毎月○○万円生むから買いましょう」と提案してくれます。

 

このような業者を見分ける方法は、紹介された土地に対してこの質問をすることです。

 

「何部屋入りますか?」

 

アパート用地の目利きには、建築的な知識も必要不可欠です。アパートの部屋数は、土地の広さだけでは決まりません。地型や容積率など様々な要因が複雑に関係します。しかも、限られた敷地面積でより多くの部屋数を作るためには、外廊下をできるだけ小さくするなどの工夫が求められるので、豊富な経験と設計力が必要なのです。

 

つまり「140㎡だから6部屋は入りますよ」といった安易な回答をすぐにするようではNG。多少時間がかかっても前述の「その土地に何部屋の物件が建てられ、一部屋当たりいくらの家賃を取れるか」、そして「何年で投資金額を回収できるか」がきちんと記載された事業計画書を提出してくれる業者に依頼すべきです。たとえば不動産業と建設業を兼業しているような会社が有力候補となるでしょう。

アパート経営成功には「正確な事業計画書」が不可欠

担当者が必ずしも建築士免許を持っていなければならないということはありません。たとえ1級建築士でも、ほとんどは家賃相場を知りませんし、アパートの設計をしたことがないからです。

 

重要なのはアパートに対する経験と知識、そして設計力です。これらを持ち合わせた担当者が作成した正確な事業計画書さえあれば、実際の設計図は建築士がこれを基にし、建築基準法に準拠しつつ引いてくれます。

 

とはいえ、時間がかかるといっても限度があります。掘り出し物の土地はすぐに売れてしまう可能性があるからです。一般的には1週間くらいかかるようですが、合格ラインは2日から3日といったところでしょう。この日数で、家賃も部屋数も回収期間も正確な事業計画書を作成できるパートナーを持つことができれば、アパート経営はすでに成功したようなものです。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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