業者が避ける「建売住宅を建てられない土地」を選ぶ
前回「掘り出し物」の土地は業者が購入し一般人が購入するのは難しいと述べましたが、実はこのような掘り出し物を買う方法が存在するのです。
それは、立地条件はいいものの、建売住宅を建築しにくい土地です。一般的には、三角地などの変形地、北側道路、接している道路の幅が4メートル以下など、いわゆる買い手が付きにくい土地が考えられるでしょう。確かにこのような条件の物件を狙うのも有効です。しかし、人気のエリアであればあるほど、気にしない人が増えていくため、絶対の方法ではありません。
そこで、ここでは絶対に建売専門会社が手を出さない土地の条件をお伝えします。単刀直入に言ってしまえば、狭すぎて住宅が建てられない土地です。「アパートが建てられるのに、住宅が建てられない?」。矛盾しているように聞こえますが、からくりはこうです。
たとえば200㎡(約60坪)の土地があります。これだけの広さがあれば、100㎡(約30坪)ずつに分筆して建売住宅を建てることが可能です。
しかし、140㎡ではどうでしょうか? およそ42坪。土地代だけで5000万円を軽く超えてしまいます。そのままでは、高額になり過ぎて建売住宅向きではありません。かといって2筆に分筆して70㎡(約21坪)にしてしまうと、世田谷区や港区といった全国トップクラスの人気エリアでない限り、建売住宅を建てても狭すぎて買う人はいないでしょう。こういった土地を探すのです。
ほかに細長すぎて旗竿地に分筆しても、建売住宅が建てられない土地なども狙い目です。細長い土地は、住宅には向きませんが、アパート、特に小さい部屋をたくさん作りたい1ルーム物件にはもってこいです(図1)。
【図1 細長い土地を活かしたアパート例】
「自宅近く」より「立地がいい」場所で収益を上げる
アパートを建てる上での掘り出し物の土地、つまり東京圏で格安の土地を見つけるには、このような建売専門会社が手を付けない物件を探すことが鉄則です。
もちろんこのような土地は希少です。簡単には見つかりません。そのため重要なのは、地域を限定しないことです。
そこで皆さんによく考えてほしいのは、「絶対外せない立地条件は、1都3県の人気エリア」だということです。なにも狭い範囲にエリアを限定する必要はどこにもありません。それゆえ私は千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県のすべてのエリアにネットワークを持って、土地情報を集めています。
ところがたまに「目の届く自宅周辺でなければ、管理状態が不安」という人がいます。しかし、管理はプロである管理会社が行いますし、日々の清掃などはBM(ビルメンテナンス)会社が担当するので問題ありません。実際に東京圏で収益をあげているアパートオーナーの多くは、物件近くに住んでいません。「目が届く」よりも「立地がいい」ことの方が優先順位は高いのです。