前回は、「狭い土地へのアパート建設」が意外な狙い目である理由を説明しました。今回は、アパート経営の事業計画で重要な「部屋単価」という考え方についてを見ていきます。

一部屋当たりの家賃と投資金額が回収できる年数に注目

さて、いくら格安(坪単価が安い)の土地を手に入れても、そこに収支が黒字になるアパートが建てられなければ意味がありません。土地を購入する際は、事前にその土地から毎月いくらの家賃を得ることができるかを計算すること、いわゆる事業計画を立てることが必要です。アパート経営が成功するか否かは、すべてこの事業計画にかかっています。

 

事業計画の基本は、「その土地に何部屋の建物が建てられ、一部屋当たりいくらの家賃を取れるか」。そして「何年で投資金額を回収できるか」です。

 

土地を購入する際は、皆さん“坪単価”にこだわるようです。できるだけ1坪当たりの単価が安い土地を探すのです。しかし、事業計画の中で土地の坪単価は、まったく重要ではありません。もっとも重要な指標は、坪単価ではなく一部屋当たりいくらの土地なのか、つまり“部屋単価”です。

狙い目なのは、部屋単価が安く、高い家賃が取れる土地

たとえば坪単価40万円で60坪の土地があったとします。地型が悪いうえに、容積率の関係で2階建てまでしか建てられません。そのため6部屋しか作れず、家賃は5万円です。この物件の部屋単価は、次のようになります。

 

土地代2400万円÷6部屋=400万円

 

一部屋の費用を回収するには、

 

部屋単価400万円÷家賃5万円=80か月

 

80か月=6年8か月かかります。

 

一方、坪単価120万円で40坪の土地があったとします。地型は悪いですが、容積率の関係で3階建てまで建てられます。そのため9部屋作ることができ、家賃は8万円です。この物件の部屋単価は、以下のようになります。

 

土地代4800万円÷9部屋=533万円

 

一部屋の費用を回収するには、

 

部屋単価533万円÷家賃8万円=67か月

 

67か月=5年7か月で済みます。

 

坪単価は3倍ですが、土地代の回収は1年以上早いのです。当然回収後の利益もずっと多くなります。実は掘り出し物の土地とは、このような“部屋単価”が安く、加えて高い家賃が取れる土地なのです。

 

このような正確なアパートの事業計画を立てられる不動産会社は、本当に少数です。一般的な不動産会社に、アパート用地の仲介を依頼すれば、「この土地なら安いので買いましょう」と大変アバウトな提案になるはずです。

本連載は、2014年11月27日刊行の書籍『サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

サラリーマンが30代から「アパート経営」で年収を300万円以上増やす方法

田脇 宗城

幻冬舎メディアコンサルティング

広がる格差、上がらない給与、将来に備えた生命保険や家のローンに子どもの教育費・・・。働けど働けど出費は増える一方なうえに、将来に対するお金の不安も拭えないという30代のサラリーマンは多いでしょう。 年収がプラス30…

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