今回は、ベルリンの不動産市場を活性化している要因である人口増加について、ドイツの歴史的背景を見ながら解説するとともに、それ以外の要因と考えられるIT企業の集積、新空港の開港などについても触れていきます。

ここ2年は「年間5万人」の勢いで人口が増加

不動産投資は都市の成長力と密接に関係しています。投資先の都市の人口の増減を調べることがとても大切になっていきます。ベルリンへ投資するにあたっては、今後の成長性を見るうえで、人口の推移を見ていくことがとても重要なのです。

 

長い歴史で見る人口の推移は、下記のとおりです。市域の面積の変動があるために正確な数値ではありませんが、ほぼその数としてとらえていただければと思っています。

 

1920年 ⇒ 380万人
1937年 ⇒ 434万人
1945年 ⇒ 280万人
2002年 ⇒ 339万人
2016年 ⇒ 350万人

 

第二次世界大戦前、一度はベルリンの人口が急増しました。しかし、戦争による被災・ベルリンの壁建築などの影響もあり、人口は激減してしまいました。その後、統一ドイツの首都として再整備される中で人口は増え続け、現在はおよそ350万人が生活しています。特にここ2年は、年間5万人に到達しようかという勢いで人口が増えています。

 

[図表1]ベルリンの人口の推移

(単位:)
(単位:100万)

 

都市構造的にも、今後の人口増を受け入れる余地は十分

もともと400万人以上が住んでいて都市のキャパシティがある上に、ゆったりとした都市計画のベルリンは、まだまだ成長余地を持っている都市です。ドイツ国内からの首都への移動だけでなく、ヨーロッパ各国からの移民が多いのも特徴的です。

 

[図表2]2014年12月31日時点でのベルリンの住人の年齢・人口ピラミッド

 

 
 

 

今後の人口増加も大いに期待されており、先行期待も込めて不動産投資は非常に活発化しており、昨今の地価が上昇する要因となっています。しかし、それでもなお、ロンドン、パリ、ミュンヘンなどのヨーロッパ主要都市と比べて地価・賃料ともに低いこともあり、不動産購入者及び賃貸での入居者ともに、高い伸びを示しています。

IT企業の集積、新国際空港の開港も価格上昇に影響

今後、さらにベルリンの地価が上昇する要因に、IT企業の集積による第二のシリコンバレー化があります。もともと賃料が低かったうえに、IT・カルチャー・音楽などをてがける若者が多く集まりアイデアが磨かれ多くの会社がスタートアップしています。

 

さらにもうひとつ、ブランデンブルグ新国際空港の開港があります。既存のテーゲル空港は設備が古く手狭であり、市街地に近いことから騒音問題が絶えずありました。また鉄道駅が空港に直結しておらず、バスまたはタクシーで中心地に向かう必要があるという構造的な問題を抱えていました。それで、ベルリン南東のシーネフェルト空港の拡張という形で近代的な国際空港を建設することとなったのです。4000m級の滑走路を備えており、遠距離便も直接乗り入れることが出来るようになる予定です。

 

まだ正式なアナウンスはありませんが、日本との直行便が飛ぶのではないかと言われています。ドイツはいままでフランクフルトをハブ空港として発展させてきましたが、首都に乗り入れることができる大型空港が完成すれば、より多くの人がベルリンを訪れるようになり、居住者もさらに増えていくであろうことが予想されています。

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