※画像はイメージです/PIXTA

2022年10月、円相場は1ドル=150円を突破し、32年ぶりの円安水準を更新。きたる物価高・円安・大増税時代には、円資産を持っているだけだと資産は熔けていくばかり……。いかにして資産を防衛し、運用していけばいいのか? 本連載は、世界最大の資産運用会社「ブラックロック」日本法人の最高投資責任者(CIO)を経験した河野眞一氏と、3,000人以上をコンサルティングしてきた外資系プライベートバンカー長谷川建一氏の共著書『世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資 』(扶桑社)より、2023年からの投資の鉄則について解説します。

グローバル化の歴史

グローバリゼーション(グローバル化)は本当に終わりつつあるのでしょうか。それを計るためには、まず世界でグローバル化がどのようにして起こり、世界に何をもたらしたのかを知っておく必要がありそうです。

 

18世紀半ばに英国で起こった第一次産業革命では、工場の機械化や蒸気機関の活用が進みました。さらに、19世紀後半には電気や石油による第二次産業革命、20世紀半ばからコンピューターの開発による第三次産業革命が起こりました。

 

この第一次から第三次までの産業革命によって輸送コストは大幅に低減され、世界はそれまでの「地産地消」の経済から、世界中に工場を作り、商品やサービスを展開する「遠産遠消」の経済へとシフトしていきます。これが、グローバル化の初期に当たります。

ソビエト連邦の崩壊によりグローバル化が加速

世界で本格的にグローバル化が進んだのは、1991年のソビエト連邦の崩壊以降でしょう。このころから、米国型の金融・資本主義経済が世界を席巻することになります。また、2000年以降のIT革命では、インターネットの発達によって情報の伝達コストが大幅に低減されました。

 

「情報通信白書」によると、1977年当時、日本から米国に国際電話をかけた場合、最初の3分間の通話料金は3,240円。あまりに高額です。ビジネスでの利用において、海外支社との通信費はバカになりませんでした。

 

ところが、現在はインターネットを活用すれば、無料でいくらでも通話が可能になりました。デジタル技術の発達によって、技術やデータ、資金、文化などありとあらゆるものが、低コストで国境の壁を越えられるようになったのです。

 

また、技術やデータの移動がスムーズになったことで、効率的な生産が可能になり、商品の開発は自国で、製造は人件費が安い国で行うという国際的分業が加速します。これが、「経済のグローバル化」です。

 

さらに、ソーシャルメディアなどを通じて異文化間の交流が進展するという「文化のグローバル化」、WTO(世界貿易機関)などの国際的な組織やNGO(非政府組織)が次々と設立されるという「ガバナンスのグローバル化」など、さまざまな分野でグローバル化の波が起きたわけです。

 

河野眞一

株式会社エリュー 代表取締役CEO

※ 本連載は、河野眞一氏、長谷川建一氏の共著書『世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資』(扶桑社)から一部を抜粋し、再構成したものです

世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資

世界の富裕層が実践する投資の鉄則 誰も教えてくれなかった本当の国際分散投資

河野 眞一、長谷川建一

扶桑社

2022年10月、円相場は1ドル=150円を突破し、32年ぶりの円安水準を更新。 なぜ世界中で物価高が起きているのか? なぜ円安が止まらないのか? きたる物価高・円安・大増税時代には、円資産を持っているだけだと資産は熔…

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