比マルコス大統領、習近平との会談で経済協力強化…南シナ海問題も解決へ

1月16日週「最新・フィリピン」ニュース

比マルコス大統領、習近平との会談で経済協力強化…南シナ海問題も解決へ
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今回はマルコス・習近平会談とそれに伴う経済波及効果が生まれるであろうクリーンエネルギー分野の動きについてみていきます。

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クリーンエネルギーで注目…CREIT

フィリピン側からの声明では、中国の投資家はマルコス大統領と会談し、228億ドル規模の投資を約束したとしています。投資の内容は太陽光と風力を中心とした再生可能エネルギー分野に、137億6000万ドル、電気自動車や鉱物加工などに73億ドル、農業関連に17億ドルとしています。

 

具体的に、フィリピンのどのエネルギー企業やマニング企業あるいは農業関連企業がこの中国からの投資から恩恵を受けるか今のところわかりませんが、投資家としては、しっかりウォッチするべきポイントになります。

 

その再生可能エネルギー分野の有力プレイヤーの一つが、フィリピン初の再生可能エネルギーREITであるCiticore Energy REIT(CREIT)です。同社は、3年投資戦略報告書において、2023年に最大45億ペソのグリーンボンドを発行し、この資金を土地や発電所の買収資金に充てるとしています。バタンガス州トゥイにある6.5MWの太陽光発電システムと475.3ヘクタールの土地の取得に充当する計画です。

 

バタンガス州の土地は、グループ会社のCiticore Renewable Energy Corp.が開発中の90MWのBatangas Solar Farm Aと40MWのBatangas Solar Farm Bの一部です。バタンガス州の発電所は、Citicore Renewable Energy Corp.(CREC)が開発し、本年中に完成予定の太陽光発電所です。この2件の買収により、同社は2025年までに発電容量を145MWから780MWに拡大する目標に一歩近づくことになります。

 

合わせて、CREITは、リートスポンサーから、72MWのArayat-Mexico太陽光発電所(フェーズ1)、44MWのArayat-Mexico太陽光発電所(フェーズ2)を含む他の買収の可能性も示しています。

 

その他のプロジェクトは、現在開発前の立地選定段階にあります。無借金のCREITは支払利息を負担する余裕があり、買収により2024年までに収益を60%増加させる可能性があります。

 

フィリピンのREIT法では、REITは預かり資産価値の35%までなら借入が可能です。この上限は、国際的に認められた格付け機関から投資適格の格付けを受けた場合、その上限は70%まで引き上げられます。

 

CREITは、フィリピン・レイティング・サービス・コーポレーション(PRS)からAA+の格付けを取得しており、これはPRSで2番目に高い格付けです。預かり資産は144億7000万ペソであることから、CREITの現在の借入限度額は101.3億ペソ程度です。CREITの現在の借入金残高が0なので、45億ペソの社債発行には、十分な余裕があります。

 

ちなみに、PRSの最高格付けであるAAAを取得しているアヤラエナジー(ACEN)は、昨年9月に、5年間固定金利6.05%でグリーンボンドを発行しました。今回のCREITグリーンボンドは、PRSの格付けが低いことや、マーケットでの金利高傾向から、これよりも高い金利がつくと予想されます。6.5%の金利負担が発生するものの、本資産取得により、CREITの帰属資本は大幅に増加します。

 

これらの太陽光発電資産が、現在のCREITのポートフォリオの収益性に見合うものであると仮定すれば、これはCREITの当期利益(ひいては配当)を増加させるのに十分なものであるはずです。

 

2024年末には、純利益(ひいては株主配当)を約60%増加させることができると予想されています。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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