(※写真はイメージです/PIXTA)

投資の視点から見ると、不動産投資の失敗は収支がマイナスになることといえます。月々の収支が赤字になるとローンの返済などのために預金などを切り崩すことになります。売却したときの収支でトータルで損が出ると、資産が減ったり、生活水準が下がったり、ローンの債務が残ったりすることがあります。そうならならないために、失敗を生む要因を知り、対策することが大事になります。

安さや利回りにとらわれていけない理由

失敗を防ぐための2つ目のポイントは、きちんと稼げる物件を選ぶことです。よくある失敗は、物件価格や利回りのみを見て物件を買ってしまうケースです。

 

たとえば、郊外や地方の物件は都市部と比べて安く、利回りが高いという特徴があります。利回りが高ければ投資資金の回収期間も早くなりますから、利回りを比べるのは大事な視点といえます。

 

しかし、どれだけ利回りがよくても入居者がつかなければ家賃収入は得られません。賃貸需要が大きい都市部と比べ、地方などは人が少なく、持ち家に住んでいる人も多いことから、この条件が満たせずに空き家になったり、家賃を下げることになったりする失敗例が多いのです。

 

利回りについては、不動産広告に表示される表面利回りと、経費などの支出を差し引いた実質利回りの違いも考慮する必要があるでしょう。

 

不動産投資は、毎年の固定資産税が発生します。物件や設備の修繕費もかかりますし、入居者募集を委託する費用もかかります。中古マンションの場合、修繕積立金の値上げによって利回りが低下することもあります。このような点を踏まえた上で、目標とする収入が得られるかを検討することが重要なのです。

 

利回りは、投資金額に対する利益の割合を指します。

 

出所:『OWNERS.COM』より
【図表】表面利回りと実質利回り 出所:『OWNERS.COM』より

物件の魅力を高めて空室を防ぐ

確実に家賃収入を得るためには空室率をできる限り抑えることも大事です。これは失敗を防ぐ3つ目のポイントです。

 

空室になる理由は、家賃に対して物件の魅力が低い、入居者募集をする仲介会社が機能していない、といったことが考えられます。

 

魅力が低い場合はリフォームやリノベーションによって価値を高めることができます。物件の魅力が高まれば入居者がつきやすくなりますし、家賃を上げることも可能。売却時も高く売れる可能性があります。

 

ただし、そのための費用も家賃収入で稼がなければなりません。リフォーム予算がどれくらいで、その結果としてどれくらいの収入が見込めるのかをあらかじめ計算しておかないと、空室率は下がってもトータルの利益が増えない可能性があるのです。

 

管理会社の変更を検討してみることも大事です。変更には費用はかかりません。しかし、入居者募集の能力が低い業者に変えても効果は出ませんので、仲介会社の実績などを踏まえて検討する必要があります。また、入居者募集のために広告料などが別途必要となるケースもありますから、その場合は、追加費用の回収方法もシミュレーションをする必要があります。

 

それでも空室率が下がらない場合、または満室に近いくらいまで空室率が下がっても収支が赤字や赤字に近い状態なのであれば、ローンを組んでいる場合に限られますが、繰り上げ返済を検討することが考えられます。

 

繰り上げ返済によって月々のローン返済額が少なくなれば、家賃収入がプラスになりやすくなり、キャッシュフロー(手元で出入りするお金の流れ)が改善します。返済期間が短くなれば利息の支払い総額も減りますのでトータルの収支も黒字化しやすくなります。

まとめ

不動産投資は、物件を選ぶときだけでなく、運用中の管理や物件の売却時など要所要所で失敗の落とし穴があります。また、不動産は株などと違って簡単に売却できず、無理に売ろうとすると売値が下がってしまうため、大きな損失が発生することがあります。

 

家賃収入が増えない、赤字が減らない、ローンが減らないといった問題が解消できなければ、それ以上の損をしないために物件を手放すしかありません。そうなってしまう原因がどこにあるかというと、物件を購入する前の計画にあります。つまり、物件を購入する前段階で運用や返済についてきちんと計画を立てることが不動産投資の失敗を防ぐために重要ということです。

 

また、不動産投資についての必要最低限の知識を身につけておくことも重要です。勉強することによって、物件の選び方、管理や運用のコツ、返済計画の立て方がわかるようになります。予備知識を持つことで、不動産会社の話を鵜呑みにしたり、勧められた物件をきちんと確認せずに買ってしまう、といった失敗も防げるようになります。

 

学ぶための方法としては、不動産投資関連の書籍などを読んでみたり、無料のセミナーなどに参加してみることもできます。不動産のポータルサイトで相場を見たり、不動産会社に問い合わせて直接話を聞いてみるといったことも有効な方法です。

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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