(※写真はイメージです/PIXTA)

投資の視点から見ると、不動産投資の失敗は収支がマイナスになることといえます。月々の収支が赤字になるとローンの返済などのために預金などを切り崩すことになります。売却したときの収支でトータルで損が出ると、資産が減ったり、生活水準が下がったり、ローンの債務が残ったりすることがあります。そうならならないために、失敗を生む要因を知り、対策することが大事になります。

トータルで黒字にする3つのポイント

不動産投資で損が出る原因は、家賃収入が得られない、家賃収入より維持・管理にかかる経費の方が多い、売却価格が想定より安くなった、といったことが挙げられます。失敗に至る流れをもう少し詳しくみると、たとえば、家賃収入では黒字でも、売却価格が安くトータルで赤字になったり、逆に、家賃収入を得ている時点から赤字で、売却時にさらに赤字が膨らむといったケースなどがあります。

 

一般的に、不動産は経年劣化によって価値が下がるため、購入価格よりも売却価格の方が安くなります。

 

つまり、売却時のマイナス分は運用中の家賃収入で補わなければならず、リフォームなどによって売却価格を高くするなら、そのためのリフォーム費用も計算に入れた上で、最終的に黒字になるようにする必要がある、ということです。

 

そのために押さえておくポイントは3つです。1つ目は、売却時まで見据えた目的と計画を持つこと。2つ目は、きちんと家賃が稼げる物件を買うこと。3つ目は、空室リスクを小さくすることです。

目的を外れた投資が思わぬ損失を生む

不動産投資は、どんな物件をいくらで購入するか、という点に焦点が当たります。もちろん、それも大事ではあるのですが、物件購入は不動産投資のスタートに過ぎません。失敗を防ぐためには、そもそも何のために不動産投資をするのか、また、その目的を達成するために運用中にいくら稼ぐ必要があるかを考え、物件を売却したときのトータル収支を視野に入れた上で、長期の計画を立てることが重要です。

 

たとえば、老後の年金代わりとして家賃収入を得たいのであれば、何年後にいくらの収入を得たいか明確にする必要があります。月々10万円の家賃収入を得たいなら、都市部の区分マンションを1つか2つ持てば実現できるかもしれません。

 

目的を考えず、物件購入にばかり目を向けてしまうと、家賃収入が多い1棟マンションを買うために過剰な借入れリスクを取ってしまうことがあります。物件価格に目が向き、地方の安価な物件を買ってしまい、狙っていた収入が得られなくなる失敗例もあります。

 

このような状態になると、どこかで「年金を増やす」という当初の目的を軌道修正することになり、その際に安価で物件を売却することによって、結果としてトータルで赤字になる可能性もあります。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

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※本連載は、J Sync株式会社が運営する『OWNERS.COM』(https://cf-owners.com/)のコラムを転載したものです。

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