(※写真はイメージです/PIXTA)

昨年から連日報道されている「値上げ」「インフレ」のニュース……日本では長いあいだデフレが続いていたこともあり、動揺している人は多いでしょう。このような時代に自らの資産を守る方法とは。YouTubeやテレビで情報発信をしながら大学で非常勤講師としても活動する、東京海上アセットマネジメント株式会社参与チーフストラテジストの平山賢一氏が解説します。

値上げは私たちにとって「大きな転換点」

「値上げ」——。新聞やテレビでは、毎日のように身の回りのモノ・サービスの価格改定が報じられています。

 

日本では長らくデフレが続いたために、「物価は上がらない」「価格はだいたい昨日と同じ」という社会全体での共通認識が形成されてきました。しかし、昨年はじめから、その“常識”は変わりつつあります。

 

ところで、私たち生活者は「消費者」としての顔もあれば「(個人)投資家」としての顔もあります。

 

いま、生活者の多くは「消費者」として、スーパーマーケットやガソリンスタンドなどで物価上昇を体感し、家計への影響を実感しています。その一方で、「投資家」として物価上昇に向き合う必要性を感じている方はまだ少ないのではないでしょうか。

 

本来、物価は個人の資産価値に大きく影響をおよぼす重要な要素です。しかし、日本では物価が長期間にわたって安定していたことから、資産形成における物価の重要性が忘れられているように思います。物価が上昇基調に転じれば、これまでの資産形成の手法を見直す「大きな転換点」となるのです。

 

世界の投資家がインフレ動向に一喜一憂するなか、読者の皆さまがご自身の資産価値を守るために必須となる考え方をみていきましょう。

世界規模で進行するインフレ

世界的にインフレが進行しており、2022年10月時点の消費者物価指数の前年同月比は、経済協力開発機構(OECD)加盟国で+10.7%、米国で+7.7%となっています。日本はそれより低い水準ではあるものの+3.7%まで上昇しています[図表1]。

 

[図表1]消費者物価指数の推移(総合指数の前年同月比) 出所:OECDのデータを基に東京海上アセットマネジメント作成
[図表1]消費者物価指数の推移(総合指数の前年同月比)
出所:OECDのデータを基に東京海上アセットマネジメント作成

 

日本で物価上昇の兆しがみられる点については、円安の進行、日銀の超金融緩和政策、政府の積極財政のほか、生産年齢人口の減少による賃金の上昇、地政学リスクの顕在化などさまざまな要因が挙げられます。

 

歴史を振り返ると、インフレ率は「上昇」「低下」「安定」のサイクルを数十年単位で繰り返してきたことがわかります。日本の物価上昇が一時的なものなのか、持続的なものなのかは注視すべき点です。

 

インフレが資産価値に与える影響についてもみていきましょう。仮にインフレ率が年3%で継続した場合、現在の1,000万円の実質価値は20年後に約554万円になってしまいます[図表2]。

 

[図表2]物価が0~3%上昇した場合の1,000万円の価値 出所:東京海上アセットマネジメント
[図表2]物価が0~3%上昇した場合の1,000万円の価値
出所:東京海上アセットマネジメント

 

これは資産の「買うチカラ(購買力)」が半分近く減少することを意味しています。資産を預金で保有している場合、預金金利がインフレ率を上回る状態であれば購買力は低下しませんが、インフレ率が預金金利を上回る状態が続くと購買力は低下してしまいます。現在の定期預金金利(1年物)は、0.002%に過ぎません(2022年12月時点、メガバンク3行の金利)。

 

\設立10年 会員数13,000名突破!/
富裕層が資産家であり続けるための無料会員組織
カメハメハ倶楽部とは?

次ページインフレ環境下で求められる投資行動とは…

【ご留意事項】

・当資料は、東京海上アセットマネジメントが作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではありません。お申込みに当たっては必ず投資信託説明書(交付目論見書)をご覧の上、ご自身でご判断ください。投資信託説明書(交付目論見書)は販売会社までご請求ください。

・当資料の内容は作成日時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。

・当資料は信頼できると考えられる情報に基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載された図表等の内容は、将来の運用成果や市場環境の変動等を示唆・保証するものではありません。

・投資信託は、値動きのある証券等(外貨建資産に投資する場合には、この他に為替変動リスクもあります)に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではありません。

・投資信託は金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。委託会社の運用指図によって信託財産に生じた利益および損失は、全て投資家に帰属します。

・投資信託は、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリング・オフ)の適用はありません。

・投資信託は、預金および保険契約ではありません。また、預金保険や保険契約者保護機構の対象ではありません。

・登録金融機関から購入した投資信託は投資者保護基金の補償対象ではありません。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録