(※画像はイメージです/PIXTA)

2023年度の所得税・住民税の確定申告の時期が近づいてきました。サラリーマンの方は、既に年末調整で一部の所得控除を利用していることと思いますが、確定申告することにより受けられる控除があります。本記事では、サラリーマンの方が確定申告するメリットがある3つの所得控除(一部、税額控除を含む)について解説します。

15種類の「所得控除」のうち12種類が「年末調整」で完了

まず、所得控除について簡単におさらいしておきましょう。所得控除には以下の15種類があります。

 

雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、 小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、 地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

 

このうち、サラリーマンの場合、年収2,000万円以下で、かつ給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円未満であれば、原則として、「年末調整」において以下の控除まで完了することができます。

 

社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、障害者控除、ひとり親控除、寡婦控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除

 

しかし、以下については、改めて年末調整をしなければなりません。

 

1. 雑損控除

2. 医療費控除

3. 寄付金控除

 

以下、それぞれについて説明します。なお、「寄付金控除」については、所得控除ではなく税金の額自体から控除される「税額控除」の形をとる「ふるさと納税」についても解説します。

1. 雑損控除

雑損控除とは、「生活に通常必要な資産」が「災害」「盗難」「横領」によって損害を受けた場合に、所得控除を受けることができる制度です。

 

以下のいずれか多い方の額の控除を受けられます。

 

・(損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-総所得金額等×10%

・(災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円

 

「災害関連支出の金額」とは、災害によって発生した損害を回復するのにかかった額です。

 

また、「保険金等の額」は、火災保険・地震保険の保険金や、共済の共済金等です。

 

なお、雑損控除とは別の制度として、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人を対象とする「災害減免法による所得税の軽減免除」の制度があります。雑損控除とどちらか有利な方法を選ぶことができます。

2. 医療費控除

医療費控除には2種類あります。通常の医療費控除と、2017年に施行された「セルフメディケーション税制」です。

 

これら2つはどちらか一方のみ選択することができます。両方の要件をみたす場合は、計算して有利なほうを選ぶことになります。

次ページ「通常の医療費控除」と「セルフメディケーション税制」

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