旧姓に戻したいなら「復氏届」を提出すればOK!
生徒:先生にご相談があります。私、亡くなった夫とは円満ではなかったので、また旧姓に戻りたいと思っています。旧姓に戻る手続きを教えていただけませんか?
先生:ご主人が亡くなったあと、旧姓に戻したいという女性は意外と多いのです。「復氏届」を提出することによって、旧姓に戻すことができますよ。
生徒:復氏届とはどういうものでしょう?
先生:復氏届とは、結婚によって姓を変えた人が、配偶者が亡くなったあとに旧姓に戻す手続きのことをいいます。
生徒:旧姓に戻したことで、なにか不利になることはありますか?
先生:いいえ。旧姓に戻したからといって、遺産相続、遺族年金などで不利になることはないので安心してください。
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復氏届はどこに提出する? どうやって書く?
生徒:復氏届はどこに提出すればよいのでしょう?
先生:復氏届は、本籍地またはお住いの場所の役場へ提出することになっています。
生徒:いままでの書類の提出先と同じですね! 復氏届はいつまでに提出しなければいけませんか?
先生:期限は定められておらず、配偶者が死亡したあとなら、いつでも手続きをおこなうことができます。
生徒:復氏届に証人や誰かの許可はいるのでしょうか?
先生:いいえ。亡くなった方の親族の同意も不要ですし、家庭裁判所の許可もいりません。自分が旧姓に戻りたいと思ったら、復氏届を提出していいんですよ。
生徒:なるほど! 自分で決めて提出していいんですね。書き方を教えてください。
先生:復氏する人の氏名の欄に、現在の名前を記載してください。住所や世帯主の氏名、本籍を記入します。「復する氏」の項目には旧姓を記入します。旧姓が「高橋」なら「高橋」と記入してください。併せて、自分の両親の氏名と続き柄を記入します。
生徒:ほかは、なにかありますか?
先生:「もとの戸籍にもどる」「新しい戸籍をつくる」のいずれかを選択できるので、どちらかにチェックを入れましょう。あとは復氏届を提出する人が署名して、押印すれば完了です。これで配偶者の姓から旧姓に戻す手続きができますよ。
生徒:とても簡単ですね! 復氏届の用紙はどこでもらえますか?
先生:復氏届の用紙は市区町村役場の窓口でもらえます。用紙をもらったら、必要事項を記入してください。ダウンロードもできますよ。
未成年の子どもがいる場合の注意点
生徒:先生、子どもがいる場合、子どもの姓も一緒に変わるんですか?
先生:いいえ。復氏届は、届出をおこなった本人のみの姓の変更です。子どもは亡くなった配偶者の戸籍に残ることになり、姓は変わりません。
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【死別】配偶者の死別後の復氏届とは?本人と子供を結婚前の旧姓に戻す手続きを解説
未成年の子どもの姓の変更は、家庭裁判所の許可が必要
生徒:子どもの姓を自分の旧姓と同じものに変えるにはどうすればいいですか?
先生:未成年のお子さんをご自身の戸籍に移したい場合は、お子さんの姓を変更する許可を取る必要があります。家庭裁判所に申立をおこなう必要があります。家庭裁判所で亡くなった配偶者の戸籍から、あなたの戸籍に移す手続きをします。
生徒:子どもは家庭裁判所の許可が必要なんですね。
先生:はい。あなただけでしたら復氏届を提出すればすぐに旧姓に戻せますが、未成年のお子さんは、家庭裁判所での手続きが必要になります。
生徒:家庭裁判所で変更許可をもらうには、どんな手続きが必要ですか?
先生:家庭裁判所でお子さんの名字の変更許可申立をおこなうときは、申立書を提出します。申立書は裁判所のホームページからダウンロードしてください。
生徒:申立にはお金がかかりますか?
先生:子ども1人につき、1,000円程度の印紙代がかかります。それ以外に、戸籍謄本などの書類も必要になるので、事前に確認しておいてください。
生徒:申立書は、子ども本人が書類に記入するのですか?
先生:お子さんが15歳未満で、自ら申立できない場合には、お母様や弁護士が法定代理人として申立をおこなうことができます。
生徒:家庭裁判所から許可が出るまで何日くらいかかりますか?
先生:申立から1~2週間ほどで審判書の謄本が交付されます。
生徒:許可が出たあとの手続きを教えてください。
先生:審判書を持ってお住いの場所の役場へ行き、お子さんをあなたの戸籍に入れる手続きをしてください。
生徒:よくわかりました。自分と子ども、別々の手続きをしなくてはいけないんですね。
岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士
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