今回は、自社の「格付け」によって異なる銀行の融資条件を見ていきます。 ※本連載は、株式会社ビーワンフードの代表取締役で、公認会計士・税理士の廣瀬好伸氏の著書、『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、飲食店経営に欠かせない「銀行からの資金調達」について解説します。

高い格付けを取得する主なメリットは4つ

銀行の格付けが1に近いほど、格付けが高くより有利な条件で融資が受けられると前回説明しましたが、実際どのようなメリットがあるかというと、

 

●融資が受けやすくなる

●融資額が増える

●金利が下がる

●借入期間が長くなる

 

借り入れ条件が有利になるのはよいことです。

 

お店の資金繰りは、入金は「多く・早く」、出金は「少なく・遅く」のほうが楽になりますから、資金を借り入れる場合でも、限度額はできるだけ大きく、また、金利が低く、返済期間は長いほうがいいわけです。

「店舗数が多い=格付けが高くなる」わけではない

さらに具体例として、A、B、Cという格付けの異なる3つの会社で、それぞれの融資の条件を比較してみましょう(図表)。

 

【図表 格付けによる融資条件の比較表】

 

あらかじめお断りしておきますと、図表中では、店舗数が多いほど格付けが高くなっていますが、店舗数が多い=格付けが高い、店舗数が少ない=格付けが低い、とも限らず、店舗数が少なくても格付けが比較的高めの会社もあれば、店舗数が多くても格付けが低い会社もあります。

 

A社の格付けは6です。プロパーでなく保証協会の保証付きで銀行から融資を受けていますが、A社よりも格付けの高いB社(格付け5)、C社(格付け4)はプロパーで融資を受けています。

 

また、同じプロパー融資のB社とC社でも、格付けの高いC社の融資額が大きく、また、返済期間、金利ともに有利な条件になっているのもわかります。しかも、A社とB社は設備資金として借り入れしているのに対し、C社は運転資金として資金を借り入れています。

 

飲食店の「現金商売」という性質上、設備資金よりも運転資金が借りにくいということは、これまでにお話ししたとおりですから、C社のような借り入れができるのはかなり好条件といえるでしょう。

 

融資を受けるというと、銀行と自分の会社の問題として考え、融資の条件なども提示されたものがすべてと思いがちです。しかし、格付けの存在を知り、格付けを上げることで、今よりも有利な条件で借り入れすることも不可能ではないのです。

本連載は、2015年11月20日刊行の書籍『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

1店舗から多店舗展開  飲食店経営成功バイブル

1店舗から多店舗展開  飲食店経営成功バイブル

廣瀬 好伸

合同フォレスト

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