「決算書が読める・読めない」が大きな差に
AさんとBさんは、それぞれ1年半ほど前に居酒屋を開業しました。お店は順調で、これから2店舗、3店舗、5店舗と増やしていきたいと考えています。
次の決算を無事に終えたら、いよいよ出店の準備にかかろうと思い、銀行の窓口で融資の相談をしてみることにしました。
Aさんの場合
Aさんは融資の相談窓口に行ったものの、まだ計画の詳細は決まっていなかったため、きちんと説明ができませんでした。決算の状況についてもいろいろ聞かれましたが、ほとんど税理士に任せていたために答えがしどろもどろになり、融資の話にまで行き着くことができずに帰ることになってしまいました。
Bさんの場合
Bさんは融資の相談に行く前に、しっかり決算書を見直しました。銀行の相談窓口ではこれまでの決算について説明し、銀行からの質問にもきちんと具体的な数字をあげて受け答えしました。また、今後の出店についても計画書を作成し、数字の根拠を示しながら具体的に説明することができました。
その後、何度か銀行に相談に通い、創業から2年経たないうちに、銀行からプロパー融資を受けることができました。
うまくいく人、いかない人、そこには「決算書が読める・読めない」の壁がありました。
「具体的な数字」を使った説明がポイント
Bさんのようなケースはとても珍しいと思います。創業して間もない会社が融資を受けるとしたら、日本政策金融公庫か、民間の銀行から借りられたとしても、信用保証協会の保証付きになるのが普通です。銀行からプロパー融資を受けられたのは、Bさんにはよほどの魅力があったのでしょう。
その勝因としては、Bさんが決算書を読むことができ、かつ、その説明ができて、しかも今後の計画もしっかりと説明できたことが1つあげられます。ポイントとしては、「大雑把な説明」ではなく「数字を使った説明」ができたことでしょう。
お金は、会社という車を走らせるためのガソリン。ハイオク満タンで走行するには、それにふさわしい車、そしてドライバーであることが求められると思います。銀行から「ぜひ応援したい」と評価されるような会社を目指して、経営者としての自分磨きを心掛けていきましょう。