今回は、銀行からの融資可能性を左右する「定性評価」とは何かを見ていきます。※本連載は、株式会社ビーワンフードの代表取締役で、公認会計士・税理士の廣瀬好伸氏の著書、『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、飲食店経営に欠かせない「銀行からの資金調達」について解説します。

業界の動向や経営者の将来性を格付け結果に加味

銀行の格付けについて決算書以外のお話をしておきましょう。

 

銀行の格付けは基本的には決算書がベースですが、評価項目の中には数字で表しにくいものもあります。たとえば、業界の動向や、その会社や経営者の将来性などは、数字ではなかなか表せません。こうした項目で評価することを「定性評価」といい、この評価を格付け結果に加味してくれる銀行もあります。

 

では、「定性評価」はどのようにして決まるのでしょう。ひと言でいえば、それは銀行担当者の抱く「イメージ」です。もしもあなたが銀行の担当者だとして、相談に訪れた経営者から「お金の話は苦手なんです。経理に任せているから」と言われるのと、「5年以内にあと3店舗増やしたいと思っています。こちらの事業計画で説明しますと……」と言われるのでは、どちらに将来性を感じますか?

 

会社の経営状況や未来のプランで会話が弾むと、「この人は管理能力がありそうだ。この会社なら期待できるかも」とプラス評価をしてくれる可能性は大いにあると思います。

銀行担当者との会話の中で判断されている可能性も

銀行の決算書による格付けでは見えてこない、形のないものを評価する、それが「定性評価」です。この評価には、決算書による信用力を補完する役割があります。

 

特に中小企業は、景気変動による影響を受けやすく、経営者の資質等によって、今後の経営実態が大きく左右される可能性が高いと考えられています。そのため、大企業に比べて「定性評価」の重要性も高いといえます。

 

下の表のように、定性評価の要因は多岐にわたります。銀行担当者との何気ない面談・会話の中で判定されている可能性も大いにありますので、会話の内容などにも気をつけるようにしましょう。

 

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    本連載は、2015年11月20日刊行の書籍『1店舗から多店舗展開 飲食店経営成功バイブル』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    1店舗から多店舗展開  飲食店経営成功バイブル

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    廣瀬 好伸

    合同フォレスト

    10年後まで生き残れる飲食店は、わずか1割! 生き残るためには何が必要か。 ・いつも金策に走り回っている! ・売上はソコソコなのにお金が貯まらない! ・銀行の融資がなかなか通らない! こんな飲食店経営者に、財務と税…

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