超低コストの投資信託として人気の「SBI・Vシリーズ」。FP資格を持つ証券会社出身のSGO編集者が、全4ファンド「S&P500」「全米株式」「米国高配当株式」「全世界株式」を比較するほか、「雪だるま」や「eMAXIS Slimシリーズ」「楽天・バンガード・ファンド」との違いについて解説します。
【SBI・Vシリーズ】4本のファンドを比較…どの投資信託がおすすめ?

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「SBI・Vシリーズ」は、SBIアセットマネジメントが運用を手掛ける超低コストの投資信託のシリーズ名称です。

 

現在の商品ラインナップは4本ですが、名前が似ており、どれを選ぶべきか悩む初心者は多いはず。

 

そこで本記事では、

 

「4本のファンドの違いは?」

「どれがおすすめ?」

「そもそもSBI・Vシリーズって何?」

 

という疑問をお持ちの方に、各ファンドの特徴を表で整理しながらわかりやすくお伝えします。

 

最後まで読めば、SBI・Vシリーズのファンドを選ぶ判断基準ができるようになります。

 

 

本記事は、SBIアセットマネジメント株式会社のセミナー動画『SBI・Vシリーズ運用報告セミナー(4/22)』に基づき、最新の情報を反映して作成しています。

はじめに:「SBI・Vシリーズ」の4本のインデックスファンドの比較表

「SBI・Vシリーズ」の4本のインデクスファンドの比較表
(引用:SBI証券

 

最初に、SBI・Vシリーズの4本のインデックスファンドのスペックを表で比べてみましょう。

 

詳細は本文内で解説するので、ここではイメージをつかむようにしてください。

 

■SBI・Vシリーズの比較一覧

ファンド名 SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド

SBI・V・全米株式
インデックス・ファンド

SBI・V・米国高配当株式
インデックス・ファンド
SBI・V・全世界株式
インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・S&P500 SBI・V・全米株式 SBI・V・米国高配当株式 SBI・V・全世界株式
投資対象
のETF
VOO VTI VT VYM
連動する
指数
S&P500指数

CRSP・USトータル・
マーケット・
インデックス

FTSEハイディヴィデンド・
イールド・
インデックス
FTSEグローバル・
オールキャップ・
インデックス
①信託報酬 0.0638%
②ETF経費率 0.03% 0.03% 0.06% 0.07%
③実質コスト
(①+②)
0.0938% 0.0938% 0.1238% 0.1338%
純資産額 7,921.64億円 1,327.54億円 209.51億円 202.83億円
つみたてNISA ×
設定日 2019年9月26日 2021年6月29日 2021年6月29日 2021年1月31日
解説を読む 解説へ 解説へ 解説へ 解説へ

※「%」はすべて年率(税込)
※純資産額は、ウェルスアドバイザー株式会社の2023年3月29日時点のデータを使用

 

 

・「バンガード」とは

バンガード社は、世界で初めて個人向けにインデックスファンドを設定した世界最大級の運用会社で、運用資産残高は2022年1月末時点で約8.1兆米ドル(当時の為替レート1米ドル=115円で計算すると、約931兆円)。

 

低コストのETFや投資信託を400本以上運用しているのが特長で、ETF業界の平均経費率(保有コスト)が0.27%であるのに対して、バンガードが運用するETFの平均保有コストは0.07%と低水準です。

 

 

・「SBI・Vシリーズ」とは

SBI Vシリーズの説明画像
(引用:SBI証券

 

SBI・Vシリーズは、SBIアセットマネジメントが運用を手掛ける投資信託のシリーズ名称で、個人投資家の資産形成を応援することを目的として2019年に誕生しました。

 

・SBI・Vシリーズのメリット

SBI・Vシリーズはバンガード社が運用するETFを買うことで株式に間接的に投資をする仕組みを採用しており、信託報酬(投資信託の運用や管理コスト)が業界最低水準である点が最大の特長です。

 

SBI・Vシリーズの仕組み
■SBI・Vシリーズの仕組み(「SBI・V・S&P500」の場合) (引用:『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の交付目論見書)
 

具体的には、インデックスファンドの信託報酬の業界平均が0.40%であるのに対して、SBI・Vシリーズの信託報酬は平均0.09%と低水準となっています。

 

 

SBI・Vシリーズの信託報酬のイメージ図
(引用:SBI証券

 

このSBI・Vシリーズは2019年に運用が開始された比較的新しいファンドですが、全4本の投資信託の残高の合計は早くも6,000億円を突破し、個人投資家から高い支持を得ています。

 

SBI・Vシリーズの純資産残高の推移グラフ
(引用:SBI証券

 

ちなみに、SBI・Vシリーズの「V」は「Vanguard(バンガード)」の頭文字の「V」です。

 

 

・SBI・Vシリーズのデメリット

SBI・Vシリーズのファンドと同じ投資成果を狙うなら、海外ETF(VOO、VTI、VYM、VT)を直接購入したほうが表面上のコストは安くなります。

 

しかし、筆者の意見としては、初心者には海外ETFより投資信託のほうがおすすめです。

 

理由を簡単に説明すると、海外ETFをドル決済で購入する場合は両替手数料がかかるうえ、利益が出た場合は外国と日本の両方で課税される仕組みだからです。つまり、海外ETFは意外とコストがかかるということです。

 

また、海外ETFは1口(くち)単位で買う必要があるので数万円が必要なのに対して、SBI・Vシリーズの投資信託はSBI証券の場合は少額の100円から購入することができます(積立買付も可)。

 

なお、SBI・Vシリーズは海外ETFと違って分配金(株式では配当金)を受け取ることはできませんが、自動で再投資されて利益を生む可能性があるので、この点をデメリットに感じる必要はありません。

 

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1.「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」

『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の交付目論見書
(引用:『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の交付目論見書)

 

■「SBI・V・S&P500」の概要

ファンド名 SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・S&P500
投資対象のETF バンガード・S&P500 ETF(VOO)
連動する指数 S&P500指数
①信託報酬 0.0638%
②ETF経費率 0.03%
③実質コスト
(①+②)
0.0938%
購入時手数料 0円
信託財産留保額 0円
純資産 7,921.64億円
トータルリターン 1年:+8.62%、3年:+19.98%
つみたてNISA
設定日 2019年9月26日
購入できる証券会社 SBI証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券ほか

※純資産などは2023年3月29日時点の数字で、ウェルスアドバイザー株式会社のデータを使用

「SBI・V・S&P500」の組入比率の上位10銘柄
 
順位 銘柄 組入比率
1位 アップル 6.52%
2位 マイクロソフト 5.55%
3位 アルファベット 3.36%
4位 アマゾン 2.50%
5位 バークシャー・ハサウェイ 1.68%
6位 テスラ 1.51%
7位 ユナイテッドヘルス・グループ 1.49%
8位 ジョンソン&ジョンソン 1.37%
9位 エクソンモービル 1.35%
10位 エヌビディア 1.24%
(2022年11月30日時点)
 
「SBI・V・S&P500」の組入上位10セクター
 
順位 業種 組入比率
1位 情報技術 26.42%
2位 ヘルスケア 15.23%
3位 金融 11.57%
4位 一般消費財・サービス 10.40%
5位 資本財・サービス 8.44%
6位 コミュニケーション・サービス 7.46%
7位 生活必需品 6.98%
8位 エネルギー 5.13%
9位 公共事業 3.00%
10位 素材 2.68%
(2022年11月30日時点)
 

「SBI・V・S&P500・インデックス・ファンド」(SBI・V・S&P500)は、米国を代表する500社で構成された「S&P500指数」に連動するように設計された投資信託です。

 

S&P500指数をベンチマークにする投資信託のなかでは信託報酬が最も安く、SBI・Vシリーズのなかでは純資産が最も多い人気ファンドです。

 

以前は「SBI・バンガード・S&P500・インデックス・ファンド」という名前でしたが、バンガード社が日本から撤退したことで「バンガード」の商標が使えなくなり、表記が「V」に変わりました。

 

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2.「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」

『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』の交付目論見書
(引用:『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』の交付目論見書)

 

■「SBI・V・全米株式」の概要

ファンド名 SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・全米株式(通称:SBI・VTI)
投資対象のETF バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
連動する指数 CRSP USトータル・マーケット・インデックス
①信託報酬 0.0638%
②ETF経費率 0.03%
③実質コスト
(①+②)
0.0938%
購入時手数料 0円
信託財産留保額 0円
純資産 1,327.54億円
トータルリターン 1年:+8.01%
つみたてNISA
設定日 2021年6月29日
購入できる証券会社 SBI証券、auカブコム証券

※純資産などは2023年3月29日時点の数字で、ウェルスアドバイザー株式会社のデータを使用

「SBI・V・全米株式」の組入比率の上位10銘柄
 
順位 銘柄 組入比率
1位 アップル 5.64%
2位 マイクロソフト 4.75%
3位 アルファベット 2.84%
4位 アマゾン 2.08%
5位 バークシャー・ハサウェイ 1.37%
6位 テスラ 1.29%
7位 ユナイテッドヘルス・グループ 1.28%
8位 ジョンソン&ジョンソン 1.17%
9位 エクソンモービル 1.16%
10位 JPモルガン・チェース 1.01%
(2022年11月30日時点)
 
「SBI・V・全米株式」の組入上位10セクター
 
順位 業種 組入比率
1位 情報技術 25.04%
2位 ヘルスケア 15.03%
3位 金融 12.18%
4位 一般消費財・サービス 10.52%
5位 資本財・サービス 9.68%
6位 コミュニケーション・サービス 6.90%
7位 生活必需品 6.42%
8位 エネルギー 5.08%
9位 不動産 3.28%
10位 素材 2.93%
(2022年11月30日時点)
 

「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」(SBI・V・全米株式)は、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス」に連動するように設計された投資信託です。

 

SBI・V・全米株式(通称:SBI・VTI)を買うと、米国株式市場に上場している企業のほぼ100%にあたる約4,000銘柄に分散投資ができます。

 

 

・「SBI・V・S&P500」と「SBI・V・全米株式」 はどっちがおすすめ?

最初に紹介した「SBI・V・S&P500」とこの「SBI・V・全米株式」は、どちらも米国株に投資するファンドです。

 

では、2つのファンドは何が違うのでしょうか?

 

それは、SBI・V・S&P500は米国を代表する大型株の500社に投資をするのに対して、SBI・V・全米株式は大型株・中型株・小型株を含む米国の上場企業のほぼすべてに満遍なく投資をする点です。

 

ただし、S&P500指数は上位10銘柄だけで米国株式市場の時価総額の約80%を占めているので、2つのファンドの値動きは似ています。

 

そのため、どちらを選ぶかは好みの問題となり、成長が期待できる中小型株の優良企業にも投資をしておきたいという方には、SBI・V・全米株式(通称:SBI・VTI)のほうがおすすめです。

 

\「SBI・VTI」が買えるのはSBI証券だけ/

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3.「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」

『SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド』の交付目論見書

 

■「SBI・V・米国高配当株式」の概要

ファンド名 SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・米国高配当株式
投資対象のETF バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
連動する指数 FTSEハイディヴィデンド・イールド・インデックス
①信託報酬 0.0638%
②ETF経費率 0.06%
③実質コスト
(①+②)
0.1238%
購入時手数料 0円
信託財産留保額 0円
純資産 209.51億円
トータルリターン 1年:+17.84%
設定日 2021年6月29日
つみたてNISA ×
購入できる証券会社 SBI証券、松井証券、auカブコム証券ほか

※純資産などは2023年3月29日時点の数字で、ウェルスアドバイザー株式会社のデータを使用

「SBI・V・米国高配当株式」の組入比率の上位10銘柄
 
順位 銘柄 組入比率
1位 ジョンソン・エンド・ジョンソン 3.17%
2位 エクソンモービル 3.14%
3位 JPモルガン・チェース 2.73%
4位 シェブロン 2.44%
5位 プロクター・アンド・ギャンブル 2.42%
6位 ホーム・デポ 2.27%
7位 イーライリリー 2.12%
8位 アッヴィ 1.93%
9位 ファイザー 1.92%
10位 メルク 1.89%
(2022年11月30日時点)
 
「SBI・V・米国高配当株式」の組入上位10セクター
 
順位 業種 組入比率
1位 金融 20.30%
2位 ヘルスケア 15.94%
3位 生活必需品 13.33%
4位 エネルギー 10.67%
5位 資本財・サービス 9.36%
6位 情報技術 8.69%
7位 公益事業 7.16%
8位 一般消費財・サービス 6.83%
9位 素材 4.17%
10位 コミュニケーション・サービス 3.53%
(2022年11月30日時点)
 

「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」(SBI・V・米国高配当株式)は、「FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス」に連動するように設計された投資信託です。

 

FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスは、高配当利回りの約440銘柄(REITを除く)で構成された株価指数で、組入上位の業種はヘルスケアや生活必需品など、不景気でも比較的安定した売上が見込めるセクターが多くなっています。

 

配当金狙いの投資家も存在するので、株式市場全体が暴落したときでも積極的に買う人も多く、組入銘柄の株価が底堅い傾向があります。

 

4.「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」

『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』の交付目論見書
(引用:『SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド』の交付目論見書)

 

■「SBI・V・全世界株式」の概要

ファンド名 SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・全世界株式
投資対象のETF バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
連動する指数 FTSEグローバル・オールドキャップ・インデックス
①信託報酬 0.0638%
②ETF経費率 0.07%
③実質コスト
(①+②)
0.1338%
購入時手数料 0円
信託財産留保額 0円
純資産 202.83億円
トータルリターン +8.00%(1年)
設定日 2022年1月31日
つみたてNISA
購入できる証券会社 SBI証券、auカブコム証券

※純資産などは2023年3月29日時点の数字で、ウェルスアドバイザー株式会社のデータを使用

「SBI・V・全世界株式」の組入比率の上位10銘柄
 
順位 銘柄 組入比率
1位 アップル 3.42%
2位 マイクロソフト 2.88%
3位 アルファベット 1.75%
4位 アマゾン 1.30%
5位 ユナイテッドヘルス・グループ 0.77%
6位 テスラ 0.75%
7位 ジョンソン・エンド・ジョンソン 0.75%
8位 バークシャー・ハサウェイ 0.71%
9位 エクソンモービル 0.70%
10位 JPモルガン・チェース 0.61%
(2022年11月30日時点)
 
「SBI・V・全世界株式」の組入上位10セクター
 
順位 業種 組入比率
1位 情報技術 19.80%
2位 金融 14.99%
3位 ヘルスケア 12.54%
4位 資本財・サービス 11.07%
5位 一般消費財・サービス 10.87%
6位 生活費需品 7.15%
7位 コミュニケーション・サービス 6.32%
8位 エネルギー 5.54%
9位 素材 5.34%
10位 不動産 3.30%
(2022年11月30日時点)
 

「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」(SBI・V・全世界株式)は、「FTSEグローバル・オールドキャップ・インデックス」に連動するように設計された投資信託です。

 

大型株・中型株・小型株を問わず、先進国や新興国を含む全世界の株式の約9,000銘柄に分散投資をして、世界経済全体の成長を捉えます。

 

「全世界株式」となっていますが、米国株に約60%を投資するので、「S&P500」や「全米株式」のファンドに近い値動きをします。

 

・「SBI・V・全世界株式」と「雪だるま」の違い

 

SBIアセットマネジメントが運用する「全世界株式」の投資信託には、「SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド」のほかに、「V」が入っていない「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)」があります。

 

2つのファンドは同じ指数に連動することを目指していますが、「SBI・V・全世界株式」が1つのETF(VT)に投資をするのに対して、「雪だるま」は低コストの3つのETF(VTを含む)に投資をしている点が異なります。

「SBI・V・全世界株式」と「雪だるま」のスキームの違い
 
「SBI・V・全世界株式」と「雪だるま」のスキームの違いの説明図
 

どういうことかというと、「SBI・V・全世界株式」は純粋に指数に連動するように設計されているのに対して、「雪だるま」はできるだけコストを安くしながら指数に連動することを目指す仕組みとなっています。

 

整理してみましょう。

 

■「SBI・V・全世界株式」と「雪だるま」の比較

ファンド名 SBI・V・全世界株式
インデックス・ファンド
SBI・全世界株式
インデックス・ファンド
愛称 SBI・V・全世界株式 雪だるま
投資対象
のETF
VT(100%) VT(60%)
SPDW(30%)
SPEM(10%)
連動する指数 FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
信託報酬
(実質コスト)
※ETF経費率を含む
0.1338% 0.1102%
純資産額 202.83億円 926.73億円
トータルリターン 1年:+8.00% 1年:+8.36%
3年:+16.66
5年:+10.47%
つみたてNISA
iDeCo × SBI証券
(セレクトプラン)
設定日 2021年1月31日 2017年12月6日
おすすめの人 バンガードのVTを
投資信託で買いたい人
徹底的にコストを
安くしたい人

※純資産額などの数字は、ウェルスアドバイザー株式会社の2023年3月29日時点のデータを使用

 

ご覧のように、1年のトータルリターンを比べると「雪だるま」のほうが0.36%高くなっています。

 

しかし、短期間の数字だけを比べて「雪だるま」のほうが優れていると決めつけることは早計です。5年後や10年後はどうなっているかはわかりません。ただし、同じ指数に連動することを目指している以上、大きなリターンの差はないと考えられます。

 

そのため、投資信託で純粋にVTと同じリターンを狙いたい方は「SBI・V・全世界株式」。VTと値動きが同じではなくても、コストの分だけ少しでも高いリターンを狙いたい方は「雪だるま」を選ぶといったように使い分けることをおすすめします。

 

ちなみに、SBI証券のつみたてNISAではどちらのファンドも取り扱いがありますが、SBI証券のiDeCoには「SBI・V・全世界株式」の取り扱いがありません。その代わりに、SBI証券のiDeCo(セレクトプラン)で「雪だるま」を選ぶことができます。

 

「雪だるま」は、SBI証券のiDeCoで選べる全世界株式のなかで最も信託報酬が安く、筆者もSBI証券のiDeCoで同ファンドを運用しています。

筆者のiDeCo資産状況
 
現在の資産状況
 

 

\iDeCoで雪だるまが選べるのはSBI証券だけ/

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5.「SBI・Vシリーズ」と「eMAXIS Slimシリーズ」の違い

eMAXIS Slimシリーズのイメージ図
(引用:三菱UFJ国際投信

 

SBI・Vシリーズ以外で低コストの投資信託で人気なのが、三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)シリーズ」です。

 

業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けることをコンセプトにしており、他社が信託報酬を引き下げたら、eMAXIS Slimも同じテーマの投資信託の信託報酬に追随して引き下げることでも知られています。

 

それでは、「SBI・Vシリーズ」と「eMAXIS Slimシリーズ」は何が違うのでしょうか?

 

わかりやすく説明すると、SBI・VシリーズがETFを買うことで株式に間接的に投資をする仕組みなのに対して、eMAXIS Slimシリーズは株式に直接投資をする点です。

 

「S&P500指数」に連動するように設計された投資信託どうしで比べてみましょう。

 

(引用:『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の交付目論見書)
■SBI・Vシリーズの仕組み (引用:『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』の交付目論見書)

 

eMAXIS Slimシリーズの仕組みの説明図
■eMAXIS Slimシリーズの仕組み (引用:『eMAXIS Slim米国株式(S&P500)』の交付目論見書)


ご覧のように、上の図のSBI・Vシリーズは、バンガードが運用するETFを買うことで株式に間接的に投資をします。一方、下の図のeMAXIS Slimシリーズは、株式に直接投資をします。

 

同じS&P500指数に連動するように設計された「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を比べてみましょう。

 

■「SBI・V・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の比較

ファンド名 SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
愛称 SBI・V・S&P500
投資対象
のETF
VT なし
連動する指数 S&P500指数
信託報酬
(実質コスト)
※ETF経費率を含む
0.0938% 0.0968%
純資産額 7,921.64億円 1兆8,058.66億円
トータルリターン 1年:+8.62%
3年:+19.98%
1年:+8.65%
3年:+20.11%
設定日 2019年9月26日 2018年7月3日

※純資産額などの数字は、ウェルスアドバイザー株式会社の2023年3月29日時点のデータを使用

 

ご覧のように、信託報酬(実質コスト)を比べると「SBI・V・S&P500」のほうがわずかに安いです。しかし、1年と3年のトータルリターンを比べると「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のほうがわずかに高くなっています。

 

ただし、5年後や10年後はどうなっているかわからず、この結果だけを見てどちらのほうがおすすめとは言えません。

 

「eMAXIS Slimシリーズ」は、株価指数先物取引も一部利用して、指数に連動することを目指しています。

 

「SBI・V・シリーズ」も「eMAXIS Slimシリーズ」も超低コストでおすすめのファンドです。

 

そのため、すでにどちらかのファンドで運用していても売却する必要はなく、そのまま保有してください。もう一方のファンドのほうが気になるのでれあれば、新規の積立分から変更することをおすすめします。

 

\つみたてNISAの銘柄数トップ/

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6. 「SBI・Vシリーズ」と「楽天・バンガード・ファンド」はどっちがおすすめ?

楽天・バンガード・ファンドのイメージ図

 

SBI・Vシリーズと同じく、バンガード社のETFを投資対象にしている投資信託のシリーズに、楽天投信投資顧問が運用する「楽天・バンガード・ファンド」があります。

 

投資対象にしているETFが同じファンドを比べてみます。なお、銘柄名の下の数字は信託報酬(実質コスト)です。

 

■「SBI・Vシリーズ」と「楽天・バンガード・ファンド」の比較

投資対象とETF SBI・Vシリーズ 楽天・バンガード・ファンド
S&P500指数
(VOO)

SBI・V・S&P500
インデックス・ファンド

なし
0.0938%
全米株式
(VTI)

SBI・V・全米株式
インデックス・ファンド

(愛称:SBI・VTI)

楽天・全米株式
インデックス・ファンド

(愛称:楽天VTI)

0.0938% 0.162%
米国高配当株式
(VYM)

SBI・V・米国高配当株式
インデックス・ファンド

楽天・米国高配当株式
インデックス・ファンド

0.1238% 0.192%
全世界株式
(VT)

SBI・V・全世界株式
インデックス・ファンド

楽天・全世界株式
インデックス・ファンド

0.1438% 0.199%

 

ご覧のように、SBI・Vシリーズのほうが楽天・バンガード・ファンドより信託報酬が総じて安くなっています。

 

そのため、コストを重視してこれから資産形成を始める方は、SBI・Vシリーズを選んだほうが将来のリターンを最大化できる可能性があります。

 

なお、SBI・Vシリーズは楽天・バンガード・ファンドより2年程度遅れて運用を始めたので、純資産額は楽天・バンガード・ファンドと比べると少ないです。しかし、どのファンドも十分大きな規模なので、純資産額の大小はあまり気にする必要はありません。

 

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まとめ:「SBI・Vシリーズ」が買えるネット証券

「SBI・Vシリーズ」が買えるネット証券
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

最後に、SBI・Vシリーズの4本の投資信託が買える主要ネット証券を整理して紹介します。

 

■SBI・Vシリーズが買えるネット証券

銘柄 SBI証券 楽天証券 マネックス
証券
松井証券 auカブコム
証券
SBI・V・S&P500 ×
SBI・V・全米株式
(SBI・VTI)
× × × ×
SBI・V・米国高配当株式 × ×
SBI・V・全世界株式 × × × ×

 

SBI・Vシリーズは超低コストで、コンセプト通りの「個人投資家の資産形成を応援する」投資信託が揃っています。

 

本記事を参考にしてあなたの資産運用の選択肢にSBI・Vシリーズを加えて、将来のお金の不安を解消する準備を始めましょう。

 

\「SBI・VTI」が買える数少ないネット証券/

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