「聞かないと伝えてこない人」の特徴
たとえば、まだ会ったことのない相手から、「このホテルのラウンジでお会いしましょう」と指定されて、ラウンジに入店したとします。
「先に入ってお待ちしています」と連絡をしてくれても、こちらはその人に会ったことがないので、どんな容姿の人なのかもよくわかりません。行ってみたら、ラウンジは案外広くて人も多く、その人っぽい年齢層の人も数名いる。
その状態で、ラウンジのウェイターさんに、「◯◯さんという方と待ち合わせているのですが……」と伝えると、その方が、「◯◯さんはいらっしゃいますか」と聞いてまわってくれる。
そうすると、「はい、私です」などと待ち合わせの相手が当たり前のように応える。そんな人に出会うことがあるたびに、他人事ながら勝手に心配してしまいます。
最近ではLINEやメッセンジャーなどで、すぐにやりとりをできるようになってはいますが、こちらからいちいち聞かないと伝えてこないというような人も、かなり多い印象です。そういう人に限って電話に出てくれず、LINEも既読になりません。
「牛丼屋の松屋…」の一言が、大幅な時間削減に
多くの普通のリーダーは、このように伝えるのではないでしょうか? 相手「先にラウンジに入りました。お待ちしています」自分「了解しました。私はグレーのスーツに赤いネクタイをしていますが、どのような格好をされていますか?」相手「白い開襟シャツです」というような説明を、あらかじめしておくのです。
「松屋が……」という説明をするときも、「松屋って、牛丼屋の松屋ですよね?」と聞き返されないように、「牛丼屋の松屋が」と言っておくのです。
銀座で「松屋まで」と伝えると、多くの場合、百貨店の松屋銀座に降ろされてしまうことになります。そうやって、常々伝えるための小さな工夫をしていくと、結果としてかなりの時間の削減につながります。
「相手に理解させる表現力」を持つと、自分の時間にそれだけ余裕ができるのです。
嶋村 吉洋
実業家
投資家
映画プロデューサー