プロキシーファイトの事例
プロキシーファイトは株主の委任状を集め、自らの提案を可決させようとする動きと分かりました。過去に実際に起こった二つの事例を紹介します。
東京スタイルと村上ファンドの委任状争奪戦
国内初のプロキシーファイトとして知られているのは、東京スタイルと村上ファンドの事例です。東京スタイルは保有していた大量の現金で不動産を購入する方針でしたが、これに対し村上ファンドが反対します。株主への大幅な増配と自社株買いを求めました。会社側は増配と自社株買いを実施しましたが、その規模は村上ファンドが求めるものには遠く及ばず、プロキシーファイトへと発展します。結果は東京スタイルの勝利でした。
大塚家具の父娘間の騒動
大塚家具の騒動でも、プロキシーファイトが行われています。大塚家具ではかねてからの経営状況の悪化により、父と娘の陣営に分かれ経営権が争われました。旧体制の刷新による経営状況の改善を期待し、娘が率いる現経営陣を支持する投資家が多く、娘側が経営権を取得しました。
しかしその後も経営状態は思わしくなく、「このままでは社員が離れてしまう」と父がプロキシーファイトに向け他の株主を説得する方針を明らかにしたという経緯です。結果は娘側が勝利し、経営再建を目指しています。
委任状を巡り争う流れを理解しよう
会社への影響力を高めるには、他の株主からの委任状を集めるプロキシーファイトが有効です。そのため経営陣の方針に異議を唱える株主がプロキシーファイトを実施し、議決権を集約するケースがあります。
ただし手間も時間もかかるため、最初から実施するのはまれです。まずは会社と株主で交渉を行い、落とし所を探ります。交渉が決裂した場合にプロキシーファイトへと発展する流れです。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】