※画像はイメージです/PIXTA

経営陣と株主の間で行われる委任状の争奪戦である「プロキシーファイト」。その流れや事例をみていきましょう。

プロキシーファイトの事例

プロキシーファイトは株主の委任状を集め、自らの提案を可決させようとする動きと分かりました。過去に実際に起こった二つの事例を紹介します。

東京スタイルと村上ファンドの委任状争奪戦

国内初のプロキシーファイトとして知られているのは、東京スタイルと村上ファンドの事例です。東京スタイルは保有していた大量の現金で不動産を購入する方針でしたが、これに対し村上ファンドが反対します。株主への大幅な増配と自社株買いを求めました。会社側は増配と自社株買いを実施しましたが、その規模は村上ファンドが求めるものには遠く及ばず、プロキシーファイトへと発展します。結果は東京スタイルの勝利でした。

大塚家具の父娘間の騒動

大塚家具の騒動でも、プロキシーファイトが行われています。大塚家具ではかねてからの経営状況の悪化により、父と娘の陣営に分かれ経営権が争われました。旧体制の刷新による経営状況の改善を期待し、娘が率いる現経営陣を支持する投資家が多く、娘側が経営権を取得しました。

 

しかしその後も経営状態は思わしくなく、「このままでは社員が離れてしまう」と父がプロキシーファイトに向け他の株主を説得する方針を明らかにしたという経緯です。結果は娘側が勝利し、経営再建を目指しています。

委任状を巡り争う流れを理解しよう

会社への影響力を高めるには、他の株主からの委任状を集めるプロキシーファイトが有効です。そのため経営陣の方針に異議を唱える株主がプロキシーファイトを実施し、議決権を集約するケースがあります。

 

ただし手間も時間もかかるため、最初から実施するのはまれです。まずは会社と株主で交渉を行い、落とし所を探ります。交渉が決裂した場合にプロキシーファイトへと発展する流れです。

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。専門家監修のもと慎重に執筆を行っておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。

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