弁護士事務所からの消費者被害について相談を受けるケースも
また、弁護士だから大丈夫と思って、いわれるがまま契約することも危険です。
国際ロマンス詐欺の広告については、残念ながら、弁護士による不当な事件受任が広告会社の斡旋の元で行われることで、詐欺被害者の二次被害につながっているのが現状です。
具体的な例としては、次のようなケースがあります。
・取扱事例として架空の事例が表示されている
・「専門弁護士」などとうたっている
・他の詐欺事案で高額回収ができた事例をあたかも国際ロマンス詐欺事案で回収したもののように表示して、その例と同じような結果をもたらすと思わせるような表現をしている
・事務職員がメールやLINEのやり取りをして弁護士が対応していない
なかには、事務員が作成した内容証明を送る(そもそも送りすらしないケースもあります)のみで、さも事件を取り扱ったかのように装う事務所が散見されます。
そのような事務所は弁護士費用について、被害額の〇%として百万円単位の高額な着手金を請求しています。
弊所にも、このような弁護士事務所への消費者被害の相談が多々寄せられますが、基本的に、成功事例を中心に説明をされる事務所や返金可能性が結構な確率であるというような事務所は信用しないほうがいいです。
また、「国際ロマンス詐欺専門、任せてください」という形で広告を出しているような事務所(国際ロマンス詐欺で検索して上に出てくるような事務所で、法律事務所のホームページでなくて国際ロマンス詐欺についての特集みたいな広告が出てくる事務所)にも注意してください。
弊所では、国際ロマンス詐欺に関しては、「返金があまり見込めないため、社会正義としてやるか、気持ちの面で整理したいという意味での依頼でなければ、お勧めしない」と案内しているのが現状です。
国際ロマンス詐欺にあわれた方も、弁護士を探すときは、国際ロマンス詐欺というようなワードで検索をするのではなく、債権回収というワードで検索や家や職場の近くの弁護士事務所を複数探して、弁護士の意見を集めるようにしてください。
国際ロマンス詐欺は自己防衛が大切
上記の通り、国際ロマンス詐欺については、現行の法律の仕組み上は被害回復が難しい事案です。周囲に相談しにくい気持ちはわかりますが、無理に被害回復をしようとすると、さらに被害を拡大してしまいます。そのため、実際に被害にあわれても、慎重に対応を検討するようにしてください。
本来的には、国が法規制を充実させて、警察も積極的に動くことが大事なのですが、国際ロマンス詐欺についてはいずれもあまり機能していないので、自己防衛が大切です。