環境の悪化は大学入試にも悪影響がある
▶「お金」お金がなくてネットカフェに泊まる/重要度★☆☆☆☆
遠方へ受験に行くとき、宿泊費用が捻出できずにネットカフェに宿泊する。これも多浪あるあ……いや、さすがにこれはないないです。
いくら究極の多浪といえどもここまで困窮している人は少ないはずですが、なぜこの項目が必要なのかというとそれを実際にやっていた人間がいるからですね。私です。
私は8浪目と9浪目、それぞれ東京に10日間ほど宿泊したのですが、ホテルで宿泊するお金が高すぎて仰天しました。カプセルホテルのような簡易施設でも1泊4000円。立派なホテルだと1万円を普通に超えます。
8浪目に地元の塾から一緒に早稲田を受けた後輩は、1泊1万5000円のホテルに5日泊まったと言っていました。それだけでももう7万5000円。私大の受験が1回3万5000円なので、5日泊まるだけで2回分の受験費用となってしまいます。
自分で受験費用を捻出していた私は、さすがにこれはもったいないと考えてしまいました。だから、宿泊費用を削り、その分を受験費用に充てようと思ったのです。
私が8浪目、9浪目ともに宿泊先に選んだのは渋谷の某インターネットカフェの12時間パック1780円でした。おかげさまで、だいぶ資金を節約できたと思います。
周囲のうるささも問題ありませんでした。私はもともと四畳で壁の薄い家賃1万2000円の物件に住んでいたので、耳栓をしていれば騒音は気にならず、むしろフラットシートは布団よりもふかふかだったのでよく眠ることができ、試験にも集中できました。
だからこそ、長い遠征生活でも体調を維持でき、最後の最後で早稲田大学教育学部に合格できたのだと思います。
……全然失敗じゃないですよね。ここで強調しておきたいのは、私が今まで住んでいた場所がネットカフェより劣悪な環境だったことが大きいです。家賃1万2000円の物件から受験に向かう人などそうそういませんし、宿の資金を自分で捻出する人もいないでしょう。小さい頃からの貧乏生活に慣れていた私だからできたことです。
環境の悪化は大きな精神面の歪みを生み、試験にも作用することがあります。
生活環境を変えることは大きなストレスになりますが、これは施設に限った話ではありません。知人宅・親戚宅でも同じことが言えます。
例えば、試験期間だけ普段関わりのない古い友人や、遠方の親戚の家から通わせる家庭もあるでしょう。この場合、肝心の受験生の意思は介入していません。慣れない家庭で無意識のうちに気を遣ったり、勉強に集中できなくなったりして微妙にメンタルバランスを崩すこともあり得ます。
たいていの受験生は親御さんに受験費用や宿泊費用を払ってもらっているはずです。
だから、安いホテルを頼もうとしたり、知人宅・親戚宅に泊めようとしたりしているなら、交渉して普段自分たちが生活している環境よりも上の水準の宿泊施設を用意してもらってください。受かれば恩返しできますし、落ちて浪人するなら、ケチった分の何十倍の支出が待っていますよ。