インフレ時に魅力的な企業とは
――このような企業は材料費が上がってインフレになっても前向きに値上げができる、つまり業績を上げられるわけで、投資する際はそういう企業に投資したほうがよいということですね。しかし、逆に値上げによって消費が低迷してしまうのではないですか?
穂谷「確かにそうですが、企業が値上げして儲かって従業員の給料も上がればいいと思います。図表3をご覧ください。
アメリカの平均時給の伸びと、エネルギー、食品を除いたコアPCE、物価の上昇率を示しています。米国ではおおむね、賃金の伸びが物価の上昇率を上回っています。つまり「購買力」という、物が買える力が維持されています。
一方、日本や欧州のように、物価の上昇が賃金の上昇を上回っていると買い控えが起きてしまいます。米国の場合のように、購買力が維持されていれば消費は比較的堅調に推移すると思われます」
――ここが米国の強みの1つで、好循環が生まれているわけですね。おっしゃる通り、日本では物価は上がっていますが賃金は上がっていないですね。
穂谷「ここは岸田政権に頑張っていただきたいところですが、企業に物価上昇により賃金を上げるように促しています。しかし残念ながら、現状として物価の上昇に賃金の上昇が追いついていません」
――日本企業も頑張ってほしいですね。
今後もインフレが続くのか不透明な状況ですが、それでも値上げできるような企業に絞りつつ、物価が上がっても購買力が維持できるような国の企業に投資をしておけば、インフレに対して資産を守ることができそうです。
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アライアンス・バーンスタイン株式会社
運用戦略部/責任投資推進室 シニア・インベストメント・ストラテジスト
穂谷 栄一郎
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