世界的なインフレによって金融市場は不安定な状況が続いています。この歴史的なインフレはいつまで続くのか、先の見通せないインフレ環境下、どのように運用すればよいのか……。世界有数の資産運用会社、アライアンス・バーンスタイン株式会社のシニア・インベストメント・ストラテジスト、穂谷 栄一郎氏が解説します。

インフレ時に投資すべき資産とは

――インフレの見通しは難しく、今後も続く可能性もあるということですね。では今後どう備えていけばいいのでしょうか。

 

穂谷「ある程度インフレが続くとみる環境下では、一般的に株式がインフレに強い資産だといわれています。なぜなら、企業は値上げができるからです。


図表2をご覧ください。米国中小企業の価格転嫁の上昇と利益率を示しています。

 

a
[図表2]米国中小企業の価格転嫁の上昇と利益率 過去の実績や分析は、将来の成果などを示唆・保証するものではありません。
期間:2000年1月~2022年5月
出所:ブルームバーグ、AB

 

このコロナ禍、青い線で示している通り、およそ七割程度の企業が値上げしています。しかも、利益率(黄色い線)も過去最高レベルです。原材料が値上がりしても製品やサービスの価格をその分上乗せ、さらにそれ以上に値上げできているということで利益率も向上しています」

 

――値上げもできて利益率も上がるなら株価も上がるということですね。つまりインフレ時には株式は優位ということですね。

 

穂谷「ただし、すべての株式がインフレに強いわけでもありません。このコロナ禍でも、値上げできずにいる企業はあります。そうした企業の株式を買っても恩恵は受けられません。値上げをしても消費者に支持される、付加価値の高い財やサービスを提供している企業かどうかをみることが重要です」

 

――そのような企業の例として、Amazonプライムは最近値上げしましたよね。しかし値上げしたとはいえ会員数が減ることはなく、むしろ増加していると聞いています。

 

同じような例では、コストコも会員費こそ値上げしていませんが、インフレでさまざまな商品が値上がりしています。それにも関わらず、顧客数は以前と変わらずお店に殺到しているように思います。日本でも、よくテレビで特集していました。

 

穂谷「おっしゃる通りです。また、皆さんご存知のiPhoneも値上げをしています。Appleは、半導体の製造を依頼している台湾の企業、台湾セミコンダクターの値上げを受け入れています。もちろん昨今の半導体不足もありますが、それ以上に、Appleが要求するレベルの半導体は、台湾セミコンダクターなどの限られた半導体企業しか作れません」

 

\設立10年 会員数13,000名突破!/
富裕層が資産家であり続けるための無料会員組織
カメハメハ倶楽部とは?

次ページインフレ時に魅力的な企業とは

【ご注意】
※本稿は、「【AB's Market Tips】#1 どうなるインフレ?資産を守るには?」を参考に、再編集したものです。詳細については当該動画をご覧ください。
本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタインポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
当資料は、2022年10月28日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン株式会社が編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。
アライアンス・バーンスタイン(AB)は、アライアンス・バーンスタイン・エル・ピーとその傘下の関連会社を含みます。アライアンス・バーンスタイン株式会社は、ABの日本拠点です。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧