2023年は「日本株の年」に。脱デフレで見えてくる日経平均4万円という「新しい景色」【マーケットのプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

本連載は、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が提供するデイリーマーケットレポートを転載したものです。

 

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【目次】

1. 安定感で際立つ日本経済のファンダメンタルズ

2. 拡大が続く日本の企業業績

3. 脱デフレで見えてくる日経平均4万円という「新しい景色」

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<前評判を覆す健闘が続く日本株>

米国をはじめとする主要な外国株は、急激な利上げや景気の減速に加え、頼みのハイテク株の変調もあって冴えない展開が続いています。一方で日本株は、円安、堅調な企業業績、コロナ禍からの経済再開、金融緩和の継続などから、他市場を上回る堅調な推移が続いています。

 

サッカー日本代表と同様、そのがんばりで海外メディアを驚かせている日本株ですが、こうしたアウトパフォームは来年以降も期待できるのでしょうか。

 

主要株価指数の推移

1. 安定感で際立つ日本経済のファンダメンタルズ

■エネルギーや食品の価格上昇を背景に、世界的な高インフレが続いています。特に欧米諸国は一次産品の値上がりがサービス価格や賃金にも波及し、ユーロ圏では10%超、米国でも7%台後半のインフレが続いています。一方の日本では、久しぶりの物価高が大いに話題となっていますが、消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は3%台にとどまり、変動の大きい食品(酒類を除く)やエネルギーを除いたCPIは、1.5%の上昇にとどまっています(2022年10月現在)。

 

■エネルギー価格の高騰や円安の一服から、日本のインフレは今後もマイルドな水準に留まる可能性が高そうです。このため日銀は、当面現在の金融緩和を続けるものと思われ、欧米のように大幅な利上げによる景気後退リスクをあまり意識しなくてもよさそうです。

 

日本・米国・ユーロ圏CPI

 

<2023年の日本は成長率でG7トップに>

■インフレ圧力や金融政策の違いもあり、日本の景気は今後も堅調な推移が続くものと見込まれます。国際通貨基金(IMF)の予想では、今年の日本の経済成長率は米国やドイツを上回り、更に金融引き締めの影響が顕在化する2023年は、G7の中で最も高い経済成長が見込まれています。

 

■2023年の日本は「G7の中で最も経済成長率が高く」、「適度なインフレ」があり、「金融緩和が続く」という、株式のようなリスク資産にとっては極めて居心地の良い外部環境が続くものと考えられます。

 

IMFの主要先進国の予想経済成⻑率

2. 拡大が続く日本の企業業績

■コロナ禍からの経済再開による順調なサービス消費の回復、円安、そして、サプライチェーン混乱の収束から、2023年も日本企業には追い風の環境が続くことが見込まれます。

 

■こうした日本企業を取り巻く事業環境の改善は、市場参加者の業績予想にも顕著に表れています。日米の12ヵ月先予想一株当たり利益(EPS)の推移をみると、米国の予想EPSは今年の夏場を境に減速に転じていますが、日本の予想EPSは堅調な推移が続いています。このため、日米の予想EPSの推移をグラフにすると、「ワニの口」のように格差が拡大する傾向にあります。

 

日本と米国の予想EPS

 

<強気の設備投資>

■良好な事業環境や業績見通しに加え、円安による輸出競争力の回復もあり、日本企業は積極姿勢を強めています。日本銀行の調査によれば、これまで長らく低迷が続いていた日本企業の設備投資計画は、足元でプラス17.4%まで加速してきています。

 

■海外のグロース企業の陰で長らく注目されることがなかった日本株ですが、これまでの地道な企業努力に加えて、円安や底堅い経済環境が追い風となり、外国企業と比べて堅調な業績拡大が続くものと期待できそうです。

 

日本企業の設備投資計画

3. 脱デフレで見えてくる日経平均4万円という「新しい景色」

■日本経済は長らくデフレに悩まされてきました。しかし、円安が進み、国内の物価が諸外国に比べて安くなってきたこともあり、マイルドなインフレが起きています。そして、株式投資の観点から特に重要なのは、企業の売り上げや利益はインフレ調整後の「実質経済成長率」ではなく、インフレ調整前の「名目経済成長率」により大きく左右される、という事実です。

 

■弊社では、今後も堅調な「実質成長」がマイルドなインフレとともに継続した場合、高めの「名目成長」が実現することで企業業績は順調に拡大を続け、TOPIXのEPSは来年度以降も2ケタの増益を継続するものと試算しています。

 

■現在、日本株の予想株価収益率(PER)は12.6倍と歴史的な低水準にあります(11月30日時点)。これは、市場参加者の多くが世界経済の変調に身構え、来期以降の業績鈍化を警戒しているためと考えられます。しかし、上記のような「マイルドなインフレ」をともなう名目経済の成長とEPSの2ケタ増益が続いていくと、話は大きく変わってきます。弊社の試算するような13%前後の増益基調が続いた場合、弱気見通しが修正されることでPERは拡大に転じ、EPSとのかけ算で求められる株価には大きな上昇余地が生じることになります。

 

TOPIX予想PERの推移

 

■もし、予想PERが過去10年平均の14倍付近まで回復すると、予想EPSとのかけ算で2024年度の日経平均株価は約3万8千円まで上昇する計算となります。さらに、米国のインフレが鎮静化して金融政策が利下げに転じ、世界の金融市場が本格的なリスクオンに向かうようなら、日本株の予想PERには更に上昇圧力がかかってくる可能性があります。仮に、予想PERが過去平均から1標準偏差上振れて15倍付近まで拡大すると、2024年度の日経平均株価は4万円の大台を越え、1989年につけた史上最高値(3万8,915円)を超えてくる計算になります。まさに、日本株の「新しい景色」が見えてくる可能性があります。

 

弊社予想EPSと指数の想定レンジ

まとめ

日本株のアウトパフォームの背景には、日本経済や企業業績の堅調さがあります。そして、諸外国と比べた日本の堅調さは、今年よりもむしろ来年に鮮明になりそうです。このため、日本株への内外からの注目は、今後更に高まってくることが期待できそうです。

 

マイルドなインフレが続く中で名目GDPの成長が続く場合、企業業績の伸びと予想PERの拡大を背景に、2年後には日経平均4万円という「新しい景色」が見えてくる、そんなシナリオの蓋然性が高まってきているように思われます。

 

 

※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2023年は「日本株の年」に。脱デフレで見えてくる日経平均4万円という「新しい景色」【マーケットのプロが解説】』を参照)。

 

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

 

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