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2023年の投資先候補…2.「米国」

こちらも「いまさら米国か!?」とつっこまれそうです。

 

米国は、①農業とエネルギー、情報技術の大国であり、軍事の大国です。

 

そして最近は特に、先端半導体の生産でも、巨額の補助金によって、大手ファウンドリである台湾のTSMCや韓国のサムスン電子の工場をアリゾナ州やテキサス州に誘致するなど、大国を目指しています。

 

仮に、アジアで有事が起きても、必要な半導体は国内で十分に調達できる体制を整えているのでしょう。今回のロシアとウクライナの戦争でも半導体の重要性が改めて明らかになりました。

 

これまでの「平和」の時代には、覇権国が提供する軍事サービスの重要性が低下して見えたり、穀物やエネルギーはどこからでも永遠に調達できるように見えたりしたかもしれません。

 

今後の世界の分極化を考えると、日本や欧州などの西側諸国は、米国が提供する軍事サービスや米国で生産されるエネルギーへの依存度を高める可能性があるでしょう。合わせて、穀物やエネルギーの希少性や、軍事サービスへの需要が高まり、一般的な商品に対する、それらの相対価値が上がる可能性があるでしょう。

 

米国は(いまや他国に供給できるモノやサービスを持っているために)以前ほど準備通貨・ドルの発行(≒貿易赤字)に頼る必要がなくなり、ドルの価値が安定するように思えます。

 

加えて、米国は、②地政学的に優位です。米国本土は西を太平洋に、東を大西洋に囲まれ、地理的な優位性を持っています。結果として、米国本土は大きな戦争にさらされたことが皆無といってよい土地です。

 

たとえば不動産を買うなら、たとえば借り入れをして工場を建てるなら、米国は相対的に安全にみえます。それは個人投資家の運用先で考えれば、米国リートや米国ハイ・イールド債券、あるいは米国株式といった資産になるでしょう。

 

 

重見 吉徳

フィデリティ投信株式会社

マクロストラテジスト

 

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