本記事のポイント
・円高が重しで動くとすれば下方向への圧力がかかりやすい
・今週の各種景気指数の発表においてはネガティブ反応はないと予想
・注意したいのは薄商いのなかの週末のメジャーSQ
CPIの発表・FOMCを控えた、今週の株式市場見通し
来週に米国の消費者物価指数(CPI)の発表、そして米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えるだけに、今週は様子見姿勢の強い1週間となりそうだ。指数レベルの動きは乏しいだろう。
先週末に発表された米国の11月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前の月より26万人あまり増加し、20万人程度を見込んだ市場予想を上回った。失業率は前月と変わらず、平均時給も前月比0.6%伸びた。労働市場が弱くなっている明確な兆候は依然、みられない。
しかし、債券・為替市場は景気減速のほうに反応した。ISM製造業景気指数が予想以上の落ち込みとなり、長期金利は一段と低下しドル円も大きく円高方向に振れた。ドル円相場は一時1ドル133円60銭台まで円高・ドル安が進み、8月中旬以来、3ヵ月半ぶりの円高水準を付けた。
冒頭で、今週は動きにくいと述べたが、この円高が相場の重しとなるため、動くとすれば下方向への圧力がかかりやすい。日経平均は先週末に大幅陰線で25日線を割っている。チャートの形は非常によろしくない。ここが堪えどころか。
今週の経済指標は5日に米ISM非製造業景気指数、7日に国内の景気動向指数、8日に景気ウォッチャー調査、中国のCPI・PPI、米国のPPI、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表がある。5日発表のISM非製造業景況指数の11月分は53.7と予想されている。前月の54.4から低下するものの、好不況の境目である50にはまだ余力がある。ISM製造業景気指数の50割れに市場が示したようなネガティブな反応にはならないだろう。
注意したいのは週末のメジャーSQに絡む動きだ。米国の重要イベントを前に大半の投資家が売買を手控え、市場は薄商いとなることが予想される。板が薄いと少しのオーダーでも値が飛びやすい。メジャーSQのタイミングでポジション解消の売りはそれなりに出るだろうし、またそれを狙った仕掛け的な売りにも警戒したい。
日経平均の予想レンジは2万7,500~2万8,200円とする。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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