11月26日午後2時31分にロケットから分離したインド・ブータンSATは、宇宙空間への展開に成功した(写真:ISRO、Department of Space)(ブータンのメディア『Bhutan Times』より)

ブータン国内最初の民間新聞として発足した『Bhutan Times』Web版より、現地メディアでしか手に入らない貴重なローカルニュースを翻訳・編集してお伝えする。

 

今回の打ち上げは「永続的な友情の歴史的節目」となる

インド宇宙研究機関(ISRO)は、11月26日、インドのスリハリコタにあるサティシュ・ダワン宇宙センターからインド・ブータンSAT(SAT:観測衛星)を打ち上げた。インド・ブータンSATは、ブータン王国政府とインド政府が共同で開発した衛星だ。

 

ロティ・ツェリン首相は、衛星の打ち上げ成功を受け、国王陛下からのメッセージを発表した。

 

「11月26日のインド・ブータンSATの打ち上げは、ブータンとインドの模範的かつ永続的な友情の歴史的な節目となる 」(ブータン国王陛下)

 

この共同衛星の開発と打ち上げは、宇宙の新天地にまで及ぶ両国関係の新たな時代を示すものであると述べられている。「これは我々の時代にふさわしい試みであり、現代のインドの技術的・科学的能力を国際社会に示すとともに、“ブータンの願望”を反映したものである」(ブータン国王陛下)。

本打ち上げは今年最後のミッション

オーシャンSAT-3として知られる地球観測衛星03(EOS-3)も、今年最後のミッションとしてISROの極地衛星ロケット(PSLV)により打ち上げられた。インド・ブータン衛星を含む8機の超小型衛星も、今回、オーシャンSAT-3とともに打ち上げられている。

 

キューブ型の衛星は30センチ、重さは15キロ。この超小型衛星の共同開発国として、少なくとも1日に2〜3回、ブータンの地表を回る予定だ。地球の表面写真も撮影する予定である。PSLVの太陽同期軌道への打ち上げは、ISROにとって2022年では6回目の打ち上げとなる。

 

オーシャンSAT衛星シリーズは、地球観測と水域監視の2つの目的で使用されている。最初のオーシャンSATは1999年に地表から720kmの上空に打ち上げられ、極軌道(太陽同期軌道)に投入された。

 

この衛星には、海洋調査用のオーシャン・カラー・モニター(OCM)と多周波走査型マイクロ波放射計(MSMR)が搭載され、2010年8月8日まで軌道上で運用されていた。

 

次ページ印外務大臣が語った両国の今後─

この記事は、GGOが提携するブータンのメディア『Bhutan Times』が2022年11月27日に掲載した記事「India-Bhutan SAT Launched」を翻訳・編集したものです。

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