2018年には九州工業大学とも連携
インド・ブータンSATの打ち上げは、ブータンにとって2度目の超小型衛星の打ち上げであるだけでなく、インド政府と協力して達成した最初のミッションでもある。ブータンは2018年に、九州工業大学のBirds-2プログラムで製作されたSpaceX CRS-15で初の超小型衛星を国外軌道上に打ち上げた。この衛星は、国家の多岐部門にわたる複数の課題を解決するために重要な役割を果たしている。
インドのチームは、今回、複合衛星の主要な積載物であるナノマルチスペクトルカメラを作成。4つのスペクトルバンドを使用して、ブータン上空の写真を記録する予定だ。
衛星は上空506kmに位置し、地上分解能(GSD)は29m。リモートセンシング部会(リモートセンシング:観測対象を遠隔地から電波や光を使って観測する技術。同部会は、リモートセンシング技術とその利用に関する研究会・見学会・講習会などの場を設け、最先端研究の情報交換や人的交流を推進している)では、この衛星画像データを、林冠のマッピング、人里の拡大の追跡、地滑りの調査、屋上太陽光発電可能な範囲の推定などに利用する予定だ。
リモートセンシング部会のブータン国内メンバーは最近、ISRO・アフマダーバード(インド西部の都市)で開催された衛星画像処理コースに参加した。同コースに参加したグループは、ブータンにおけるリモートセンシング能力の開発を監督する主要組織で、ブータン王国政府内の複数の部署から16名の職員が参加している。
カルマ・D・ワンディ情報通信大臣率いるブータンのハイレベルなスキルを持つ代表団は、歴史的なインド・ブータン衛星の打ち上げを目撃するために、スリハリコタへ特別に足を運んだ。
インド外務大臣が語った両国の関係
インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外務大臣は、ISROチームと情報技術・電気通信省の衛星打ち上げの成功に祝辞を述べた。「モディ首相と国王陛下が構想したように、双方は宇宙と技術の達成を通じて、21世紀の新興分野へともに挑み、インド・ブータン間のパートナーシップを発展させました」(ジャイシャンカル外務大臣)。
また「ブータン国王陛下が構想されたように、我々はこれからも共同で、宇宙技術とその応用を国民の生活向上のために活用しなければなりません」と付け加えた。
今回のISROのインド・ブータンSATの打ち上げには、ティンプー(ブータンの首都)からロティ・ツェリン首相とその他閣僚も立ち会っている。