ブータン、農業のGDP成長率寄与はわずか0.24P
ブータンでは、主要な3つの経済部門のうち、2021年の経済において最も大きな割合を占めたのは第三次産業で、46.61%だった。一方で、第二次産業は34.20%を占め、第一次産業は19.19%に過ぎなかった。
国家統計局が発表した「国民経済計算統計2022」報告書によると、第一次、第二次、第三次部門の経済割合は過去数年間、ほぼ同じであった。しかし、2017年から、経済に占める第二次産業の割合が減少し始めた。
それによると、第二次産業は年間を通じて前年比0.52ポイント減少し、第三次産業と第一次産業はそれぞれ0.48ポイント、0.04ポイントの微増となった。
昨年の第一次産業の成長率は2.05% で、2020年の4.57%の増加から2.52ポイント減少した。畜産業と林業部門が景気減速の原因とされている。
さらに前年度と比較して、農業部門の成長率は鈍化した。報告書によると、2021年の同部門におけるGDP成長率への寄与はわずか0.24ポイントにとどまっている。
農業(作物)部門は2021年の第一次産業の成長における主要な原動力だと述べられているが、その成長率は2.43%、同部門の成長への寄与度は1.11ポイントであった。
第一次産業の名目粗付加価値額(GVA)は、2020年の329億9,745万ニュルタム(ブータンの通貨単位。日本円で約159億6,000万円)から2021年には360億3,673万ニュルタムに増加し、経済に占める割合は19.19%となった。
産業部門、前年より14.79ポイント上昇。GDP成長率は3.11%
2020年、ブータン経済が過去最低の-12.84%から回復した経緯と同様に、2021年の産業部門の成長率は1.96%で、前年から14.79ポイント上昇した。さらに、同部門のGDPに対する成長率の寄与度は0.73ポイントであった。
産業部門の成長に最も貢献したのは、ほとんどが第二次産業に分類される鉱業・採石業と建設業だった。同部門全体のGVAは642億1,543万ニュルタムと算出された。推計によると、第二次産業のシェアは2020年の34.71%から2021年には34.20%へと0.52ポイント減少した。
また、第三次(サービス)部門は2021年に875億2,061万ニュルタムのGVAを達成し、GDPの46.61%を占めた。2020年の46.13%から、同部門のシェアは0.48ポイント上昇した。
「2020年に業界で最も低い成長率を記録した後、翌年には6.13%の成長を遂げました。前年の-10.81%の減少と比較して、16.94%の上昇です。」と調査報告書は述べている。
さらに報告書によると、GDP成長率の3.11%は、第三次部門によってもたらされたという。また、第三次産業の補助部門は、健康・教育部門、金融・保険部門を除くすべての部門が成長を遂げたとしている。さらに、運輸・通信と卸売・小売業は、それぞれ16.21%と7.26%という最高成長率を記録した。
一方、国内GDPは、2020年の-10.01%の落ち込みから、2021年には4.09%まで拡大し、14.10ポイント上昇した。
経済成長に28.27%寄与した鉱業・採石業に続いて、運輸・通信が16.21%、建築は8.78%、卸売・小売商業は7.26%となった。一方、水・電力供給、金融・保険、教育・医療は、それぞれ3.69%、4.16%、0.01%にまで減少した。
需要面では、家計の最終消費支出は4.85%増、政府の最終消費支出は5.73%増であったと報告されている。さらに、総資本形成は、2020年の15.99%の減少に対し、12.60%の増加となった。
2021年、財・サービスの輸入は15.74%増加したのに対し、財・サービスの輸出は8.92%増加した。
2021年の国民総所得(GNI)は4.10%に増加し、前年の-7.13%から11.24ポイント上昇した。調査によると、2021年のGNIが上昇したのは、前年に比べ一次所得の純流出額が減少したことが主な要因だという。
2021年に国外に流出した一次所得は130億2,255万ニュルタムであり、前年の124億2,729万ニュルタムから増加している。純一次所得は-115億787万ニュルタムと記録され、前年度より9億2,241万ニュルタムの上昇となった。