(※画像はイメージです/PIXTA)

中小企業・個人事業主を対象とする「IT導入補助金(通常枠)」の今年度の最終締切(9次締切)が2022年12月22日(木)に迫っています。様々な業務・ツールが対象となっており、しかも獲得しやすい制度設計になっているので、この機会にぜひとも活用していただきたい補助金です。いかにメリットが大きいか、その概要をお伝えします。

IT導入補助金(通常枠)とは何か

IT導入補助金(通常枠)は、ITツールを導入する中小企業・小規模事業者を対象とする補助金です。

 

業務効率化・売上アップといったあらゆる課題を解決するためにITツールを導入する際の経費を補助するもので、「A類型」と「B類型」があります。

 

後述するように「A類型」と「B類型」とでは「B類型」の方が要件が比較的厳しくなっています。しかし、これから解説をご覧になっていただければわかりますが、あらゆる業種・業務を広く対象としており、申請も容易です。とりわけ「A類型」は大変受け取りやすくなっています。

 

国としても、審査でふるい落とすというのではなく、むしろ広く補助金を交付したいという意図が透けて見えます。

 

なお、IT導入補助金には「通常枠」以外にも以下の2つの枠があります。

 

・セキュリティ対策推進枠:セキュリティ対策

・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型):企業間取引の効率化

 

もらいやすい背景に「2025年の崖」

IT導入補助金が、多くの中小企業・個人事業主にとって利用しやすいものとして設計されている背景には、「2025年の崖」という問題があります。

 

「2025年の崖」について、ごく大ざっぱに説明を加えておきます。

 

1990年代終盤から2000年代にかけ、多くの中小企業・個人事業主がIT化を進めました。しかし、その際、自社の事業に特化してカスタマイズされたシステム(レガシーシステム)を導入する形がとられました。

 

それらのレガシーシステムは老朽化してきており、しかも、維持管理のムダなコストがかかるようになっていくことが予測されます。

 

このままだと、2025年~2030年の間に、年間約12兆円の経済損失が発生するという試算がなされています。これが「2025年の崖」とよばれる問題です。

 

国はこの事態に非常に大きな危機感を抱いており、補助金を出してでも、IT化、さらにはDXを急速に進めなければならないと考えています。だからこそ、IT導入補助金は受け取りやすく設計されているのです。

 

今回お伝えしている「通常枠」はもちろん、「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」についても、同様の問題意識が背景にあるものといえます。

対象となる中小企業・小規模事業者は広い

IT導入補助金「通常枠」は中小企業・小規模事業者(個人事業主)を幅広く対象に含めています。

 

中小企業(会社、会社以外の組織)については【図表1】【図表2】の通りです。また、小規模事業者については【図表3】の通りです。

 

【図表1】補助対象者の要件(会社)

 

【図表2】補助対象者の要件(会社以外の組織)

 

【図表3】補助対象者の要件(小規模事業者)

 

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