(※画像はイメージです/PIXTA)

中小企業・個人事業主を対象とする「IT導入補助金(通常枠)」の今年度の最終締切(9次締切)が2022年12月22日(木)に迫っています。様々な業務・ツールが対象となっており、しかも獲得しやすい制度設計になっているので、この機会にぜひとも活用していただきたい補助金です。いかにメリットが大きいか、その概要をお伝えします。

あらゆる業務・ITツール等が補助対象となっている

まず、「通常枠」の補助対象となる費用は以下の3種類のITツール等です。

 

・ソフトウェア購入費

・クラウドサービス利用料(1年分)

・ソフトウェアまたはクラウドサービスの導入関連費

 

「A類型」または「B類型」のいずれについても、それぞれの「プロセス要件」を満たし、労働生産性の向上に役立つものであれば、広く対象に含まれます。

 

「プロセス要件」は7つあります。

 

全業種に共通の業務を類型化した5つの「業種共通業務プロセス」に加え、業種ごとに固有の業務を類型化した「業種固有プロセス」、業種・業務にかかわらず生産向上に役立つ「汎用・自動化・分析ツール」があります。

 

◆業種共通業務プロセス

「業種共通業務プロセス」は以下の5種類です。業種を問わず、事業にかかわる大部分の業務がカバーされているといえます。

 

1. 顧客対応・販売支援

2. 決済・債権債務・資金回収

3. 供給・在庫・物流

4. 会計・財務・経営

5. 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情報システム

 

◆業種固有プロセス

「業種固有プロセス」は、業種ごとに、その事業に関連する業務を細かく網羅しています。たとえば、「製造業」の「業種固有プロセス」は以下の通りです。

 

・品質管理(部品・完成品、生産プロセス、トレーサビリティ、外注先評価)

・製造⼯程管理(製造指⽰、指⽰書、納期管理、ロット管理)

・製造管理(作業進捗、作業⽇報、安全管理、MES)

・製造設備管理(稼働状況、設備保全)

・⽣産管理(⽣産計画⽴案、⼯程計画、資材所要量計算)

・CAD、CAM、CAE

・部品表(BOM)・配合表(食品加工)、コスト計算、原価計算

・プリプレスツール:組版、デザインツール、工程管理・品質管理

 

「製造業」だけをとっても、きわめて詳細に網羅されており、どの業務についても活用できるようになっています。

「A類型」と「B類型」

IT導入補助金(通常枠)には「A類型」と「B類型」があります。「B類型」の方が補助額が大きく、その分、より多くの要件をみたすことが要求されています(【図表4】参照)。

 

すなわち、「B類型」は「プロセス数」の数が多く、かつ、「賃上げ目標の達成」が必須となっています。

 

【図表4】通常枠「A類型」「B類型」の要件比較

 

手続きの流れ

IT導入補助金(通常枠)の申請手続はすべてオンラインで行うことになっており、対象となるソフトウェア、サービスを提供する「IT導入支援事業者」から「申請マイページ」の招待を受けて行います。

 

あとは、「交付申請の手引き」に従って行えば容易に申請が完了します。

 

1. 「IT導入支援事業者」へ補助事業に関する問合せ、相談等

2. ITツールの選定及び導入するITツールの商談、見積もり等の依頼

3. 交付申請の作成・提出(「申請マイページ」からIT導入支援事業者と共同で)

4. 交付決定

5. 事業実績報告の作成・提出

6. 補助金確定通知・補助金の交付

7. ITツール導入後のアフターフォロー

8. 事業実施効果報告の作成・提出

 

2022年度の「通常枠」の最終締切(第9次締切)は、12月22日(木)です。

 

IT導入補助金は、補助対象となる業務・ITツールの範囲が広く、多くの中小企業・個人事業主にとって、ITによる業務効率化、ひいてはその先のDXの推進に大きな助けとなります。まだ時間はありますので、この機会を逃さず、ぜひ、活用することをご検討ください。

 

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