成功するのは「実力ある子」より「自信がある子」。自信をはぐくむ“親の声かけ” (※写真はイメージです/PIXTA)

自信をはぐくむとは、鏡のような働きをする会話によって、子どもが自己をより正確にとらえられるようにすること、そして、「自分で状況をコントロールしている」と感じられるようにすることです。レベッカ・ローランド氏の著書『自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ』(SBクリエイティブ、木村千里訳)より、自信と自立性をはぐくむ会話を紹介します。

そもそも「自信」とは何か

「自信」と聞いて、何が思い浮かびますか? デール・カーネギーらのスピーチの権威を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。あるいは、スケートボードやロッククライミングで華麗な技を決めるスター選手を思い浮かべる人もいるかもしれません。どちらも自信を連想させる例ではありますが、本当は自信が意味するものはそれよりずっと広く、華やかなものや目を引くものばかりではありません。

 

自信とは、「私ならできる」という反応だと考えてみてください。「たとえまだ未達でも、目標を達成できる」という信念、と言ってもいいでしょう。自信のある人は、自分の能力全般を信頼しています。「大きな目標に立ち向かえるし、失敗しても立ち直れる」と信じています。

 

いわゆる「自己効力感」とは異なります。自己効力感とは、ある分野のスキルに対する信頼です。たとえば、数学に関しては自己効力感が高くても、スポーツに関してはそうではない場合があります。自信はそのようなものではありません。人生全般に当てはまる、もっと広範な信頼感です。

 

しかも、自信の有無は子どもの幸福と目標の達成を左右します。目標を達成できるかどうかは、実力よりも有能感と相関していることが、複数の研究によって確認されているのです。なぜでしょうか?

 

注目すべきは、“失敗後”の分岐点となる決断です。もう一度挑戦するか。うまくいく保証がなくてもやってみるか。ここで、挑戦すればするほどスキルが上がります。その結果、ますます挑戦し、さらにスキルが向上することになります。

 

この繰り返しにより、心理学者のアンジェラ・ダックワースが提唱した「グリット」――長期的な目標をなんとしても達成しようとする情熱と粘り強さ――が養われます。ダックワースと、同じく心理学者のドゥエックによれば、しなやかマインドセットの子どもは、グリットを発揮する傾向があります。課題に直面したときに、「私なら乗り越えられる」と考えるのです。

 

一方、自立性は、自らの足で立ち、適切なリスクを負う能力と関係があります。自立するとは、「人に頼らない」ことではなく、助けを求めるべきタイミングを自覚していることです。目標を達成するのに必要なものを持っている、または、どこを探せばそれが見つかるかを知っていることです。

 

自立性と自信は密接に関連しています。「私ならできる」という感覚があれば、後押しや手助けの必要性は減ります。難局を乗り切ったり、恐怖に立ち向かったりするために助けを求めることはあっても、恐怖心に負けずに難題に挑戦するようになるはずです。

 

このような自信に満ちた姿勢は、あらゆるスキルが発達途上にある幼少期には特に重要です。子どもは、その「発展途上」という感覚から学べます。というより、学ぶべきです。さもなければ、恐怖で何にも手を出せなくなる恐れがあります。

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    音声言語病理学者

    音声言語病理学者。ハーバード大学教育大学院講師、ハーバード大学医学大学院教員、ボストン小児病院神経内科に所属する言語療法の専門家。

    言語聴覚士の国家資格を有し、幼児から高校生までの子どもを対象に、教育現場でカウンセリングや学習補助をしている。発話言語や読み書き障害、および子どものコミュニケーション能力の発達について研究し、教師の専門性向上に取り組んできたほか、アメリカの新聞や雑誌などさまざまな媒体で教育や子育てに関する記事を寄稿している。

    ハーバード大学教育大学院で教育学博士号、MGH附属保健医療大学院で言語病理学修士号を取得している。ボストン在住の2児の母親でもある。

    (Photograph: Andy Riley)

    著者紹介

    連載ハーバード大学教育学博士×発達支援専門の言語学者が教える 自分でできる子に育つ「最高の言葉かけ」

    ※本連載は、レベッカ・ローランド氏の著書『ハーバード大学教育学博士×発達支援専門の言語学者が教える 自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ』(SBクリエイティブ)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    ハーバード大学教育学博士×発達支援専門の言語学者が教える 自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ

    ハーバード大学教育学博士×発達支援専門の言語学者が教える 自分でできる子に育つ 最高の言葉かけ

    レベッカ・ローランド 著
    木村 千里 訳

    SBクリエイティブ

    【子どもの教育は「会話」がすべて! 時間もお金もいらない、科学的な子育てメソッド】 子育てをするには、あまりにも時間が足りない。子どもにしっかり向き合いたくても、仕事や家事に追われ、十分な時間が取れない。そん…

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