※画像はイメージです/PIXTA

課題が多い中小企業の人事評価には、「人事考課制度」を導入するべきといいます。なぜなのでしょうか、みていきます。

 

中小企業の人事評価の課題

・導入率が低い

・しっかりと運用されていない

 

資金不足や人材不足が課題となりやすい中小企業にとって、人事評価制度を導入するのはハードルが高いとされているのが現状です。また、2016年に発表された論文では、人事評価制度を導入している中小企業であっても、その評価制度がしっかりと運用されていないことも明らかにされています。

「人事考課制度」導入のポイント

人事考課制度を作成するうえでのポイントを押さえましょう。

 

「人事評価制度」を作る際のポイント

・目的の明確化

・評価項目の決定

 

一般的には人事評価制度を作る目的は、大まかに「処遇の決定」と「人材育成」にわけられます。また、評価項目を決める際は、明確で具体的であるほど評価者による評価基準のブレが少なくなります。

 

「人事考課表」を作る際のポイント

・3つの評価要素を入れる(成果基準、能力基準、情意基準)

・導入事例の多い目標管理制度(MBO)を活用する

・自社に特化した情意評価を行う

 

人事考課表には3つの評価要素を入れるようにしましょう。

 

成果基準:仕事の結果を評価する項目

能力基準:従業員個人の持つ能力をどれほど発揮できたかを評価する基準

情意基準:勤務態度や仕事へのやる気など評価する項目

 

また、迷った場合は導入事例の多い目標管理制度(MBO)を活用することもおすすめです。ピーター・ドラッカーにより提唱されたもので、最初に立てた目標に対して一定期間を置いてから達成度を評価し、フィードバックを行う仕組みとなっています。情意評価という指標を活用することもポイントのひとつです。

 

仕事へのやる気などを評価する指標で、会社の雰囲気を反映しやすい情意評価では、「らしさ」を表しやすくなるので熟考して作成しましょう。

 

・賃金制度と紐付ける基準

・成果評価して賞与に反映させる

・成果と情意から昇給昇格を判断する

 

評価に値するような大きな成果に対しては、賞与額に反映させると納得感もあり従業員のモチベーション維持にも役立ちます。ただし、昇給や昇格は成果だけでなく情意基準も参考にして決定し、総合的に評価できるような評価基準の作成が重要です。

 

 

矢野 茂樹

株式会社ワンオーワン

代表取締役

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