(※写真はイメージです/PIXTA)

自宅マンションを売却する際、室内はリフォームすべきか、それとも現況のままでいいのか……きれいな見栄えのほうが高く売れそうだと思いがちですが、中途半端な「思いやりリフォーム」はするべきでないと、マンショントレンド評論家として数々のメディアで発信を行う日下部理絵氏はいいます。いったいなぜなのか、詳しくみていきましょう。

「負動産」はリフォームしたほうがいいケースも

ここまで散々、売り出す時にリフォームは不要だといってきたが、「負動産」の時だけはリフォームを行ったほうがいいこともある。

 

たとえば、供給過多で購入希望者が少ないエリアの場合、買い主に選ばれるために何かアピールポイントが必要である。

 

そうした場合、モデルルームのように設置した家具を一式プレゼントするとか、リフォームして見栄えを良くするなどが考えられる。

 

つまり、高く売るためのリフォームではなく、「そのままだと売れないので、苦肉の策としてのリフォーム」を選択せざるを得ないというものだ。

 

なお、売却時にリフォームを検討する場合は、まずは同じマンション内をはじめ、近隣の競合物件の相場を把握することをおすすめしたい。それには、SUUMOなどの不動産ウェブサイトを検索したり、ポストに入っているチラシを見たり、不動産屋に査定依頼をしたりするのが有効である。

安価で付加価値をつけられる「3つの選択肢」

また売り出し前にフルリフォームするほどのお金をかけるのはおすすめしないが、安価にでき比較的効果がある方法をご紹介したい。

 

1.ハウスクリーニング

売り出す際に自分で徹底的に掃除するのもいいが、プロによるハウスクリーニングを行うほうがよりいい。

 

中古マンションは、内見時の印象が鍵を握る。ハウスクリーニングはリフォームより費用を抑えつつ、気になる箇所をキレイに見せることができるため効果的である。

 

しかし、ハウスクリーニングもやみくもに行うより、効率的に依頼して無駄な費用を抑えられるといいので、水回りに絞るのがおすすめである。

 

キッチンや浴室、トイレなどの水回りは、買主が気になる場所であり、プロと素人の掃除では質に差が出やすいためだ。

 

また費用に余裕があれば、玄関、ベランダと窓も部屋の印象が変わるため依頼するとよい。なるべく生活感を取り除き清潔感を出すため、効率的にプロの手を借りるべきである。

 

2.傷や汚れの補修

リフォームしない場合でも、内見時の印象を良くするため、壁紙やフローリングの目立つ傷や汚れは、補修しておいたほうがいい。傷が多い部屋は、他にも不具合があるのではと思われがちである。補修は100円ショップやホームセンターで購入できる道具で簡単に行える。

 

3.プチリフォーム

少額費用なのに物件が美しく見えるようなリフォームは内見時の印象をアップさせる。

 

たとえば、壁紙や畳替えなどは比較的安価で新しくでき、かつ見た目の印象を大幅に変えられる。また水栓や電気のスイッチプレートの交換などもおすすめだ。金銭的な余裕があればトイレのリフォームもいいだろう。なるべく生活感を消すのがポイントである。

 

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※本連載は日下部理絵氏の著書『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)から一部を抜粋し、再編集したものです。

60歳からのマンション学

60歳からのマンション学

日下部 理絵

講談社

私たちは、本当にマンションを終の棲家にできるのか? 2030年、分譲マンション約780万戸のうち、築30年以上が過半数を超える。現在、安全・安心・快適なマンションへの永住指向が強まる一方、自らの老いとマンション老朽化…

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