(※写真はイメージです/PIXTA)

相続には十人十色の事情があり、場合によっては家族や親族同士の関係を壊してしまうこともあります。そうした事態を避けるためにはどうすればよいのでしょうか。相続に必要な知識や相続を円満に進めるコツについて、後藤光氏が代表を務める株式会社サステナブルスタイルが運営する、相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』の記事から、一部編集してお届けします。

 

遺言アプリとは? 遺言書も作成できる時代に

遺言アプリとは、スマートフォン等で遺言のひな形を作成するアプリです。このアプリで作成した文面を参考に、紙へ内容を書き写せば「自筆証書遺言」が完成します。

 

遺言を作成するとき遺言者が無料で作成可能なのは、自分で全文を直筆、署名・捺印して作成する自筆証書遺言しかありません。この自筆証書遺言は直筆する必要があり、とても手間がかかります。

 

他の方法として、ワープロ等による作成は可能ですが、公証人役場へ持参して証人(2人以上)の立ち会いを必要とする「秘密証書遺言」、公証人が遺言を作成して原本を公証役場で保管する「公正証書遺言」もあります。

 

しかし、これらの方法では費用が発生し、手続きも煩雑です。

 

このように我が国の遺言作成はとても手間がかかります。その影響もあってか、約9割の被相続人は遺言を作成しないまま亡くなるという問題が起こっています。そこで、遺言作成のプロセスを簡便にして、被相続人(故人)の希望が反映された遺言書を作成しやすいように開発されたアプリこそ、遺言アプリなのです。

遺言アプリのメリット・デメリットとは? 法的効力はある?

ここでは遺言アプリを利用するメリット・デメリットを解説します。

 

遺言アプリのメリット

主にメリットは次の2つが挙げられます。

 

(1)無料で作成できること

 

遺言アプリは概ねフォームの質問内容に答えていくだけで遺言が作成できます。これらのアプリは基本的に無料で提供されています。

 

専門家に遺言作成を依頼すれば数万円以上かかりますが、アプリを使えば無料で遺言の内容が完成します。

 

(2)気軽に作成できること

 

お手元にスマートフォンさえあれば、いつでも作成・修正ができます。通勤時間・休憩時間等に自由に編集可能です。アプリはダウンロードするだけで始められ、不要と感じたら削除も簡単です。

 

遺言アプリのデメリット

主にデメリットは次の2つが挙げられます。

 

(1)法的効力が無いこと

 

遺言アプリで作成・保存した遺言内容が、そのまま遺言書として有効になるわけではありません。自筆証書遺言の遺言書本文は、あくまで手書きが必要となります。

 

そのため遺言アプリで作成した内容は、紙に書き写す作業を行うことで有効な遺言書となります。

 

(2)アプリのサービス終了も考えられること

 

遺言アプリは複数の運営会社からリリースされています。しかし、運営会社側の事情で今後サービスが終了するリスクもあります。

 

その場合、保存していた遺言内容の全データが消去される事態も想定されます。アプリ保存の他、念のため紙で遺言内容を保存しておくと無難です。

 

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    ※本記事は、株式会社サステナブルスタイルが運営する相続・終活に関する情報を発信するwebサイト『円満相続ラボ』より転載したものです。

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