(※写真はイメージです/PIXTA)

年金によって老後の生活が保障されない環境下における幸福について、ここでは2つの条件で定義します。この2つの条件が揃っていれば、わたしたちは少子高齢化社会を幸せに生きていけるでしょう。公認会計士の千日太郎氏が著書『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)で解説します。

幸福の条件とその土台

少子高齢化社会における幸福の条件は「お金」と「絆」です。そしてその土台をそれぞれ「個人資本」及び「社会資本」と呼ぶことにします。本連載では幸福の条件を支える土台を強固で盤石なものにすることで幸福の実現を目指します。

 

ここに幸福の条件として「お金」を置きましたが、本連載の目的は拝金主義的に小金を貯めることを推奨するものではありません。むろんお金は大事ですが、幸福になるための条件、手段であり、目的ではないのです。お金がなくても人生を楽しむことができるならば良いと思っています。わたしは、きれいごとではなく「貧乏でも幸せ」だという状態はあると信じています。

 

しかしお金を不要とまでは言いません。お金が足りなくなったときにトラブルに遭遇すると、視野が狭まってしまい、採るべき最善の選択肢が目に入らず、人生に行き詰ってしまいがちです。この状態が「貧困」です。貧乏でも幸せという状態はあり得ますが、貧困でも幸せということはありません。いわば、貧乏は客観であり貧困は主観です。そして幸福か不幸かという判断は自身の主観によるところが大きいのです。

 

出所:千日太郎著『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)より
出所:千日太郎著『50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)より

 

わたしたちの未来に暗い影を落とす「老後破産」という言葉がありますが、これは老後にお金が足りなくなったことに起因して、本人の主観として八方ふさがりの貧困状態に陥ることなのです。こうした貧困状態からの救いとなるのが家族や友人、広くは地域共同体との繫がり、つまり絆です。

 

年金によって老後の生活が保障されない少子高齢化社会においては、老後に貧乏な状態になる可能性が高く、貧乏から貧困につながる可能性が高いのですね。貧困イコール不幸であるならば、老後の貧困からできるだけ遠ざかることが幸福につながると考えます。

 

・まず貧乏にならないための「お金」

・それでも貧乏になってしまった場合に、貧困から救ってくれる「絆」

 

この両輪によって老後の幸福が担保されるのです。幸福の条件という抽象的な概念をさらに具体的な手段や対象としてブレークダウンさせたものが「個人資本」と「社会資本」です。幸福を実現し盤石なものとしていくための土台であり、具体的な対象である「個人資本」と「社会資本」についてわかりやすくお話します。

 

千日 太郎

オフィス千日(同)代表社員

公認会計士

※本連載は千日太郎氏の著書『初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入』(同文舘出版)から一部を抜粋し、再編集したものです。

初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入

初めて買う人・住み替える人 独身からファミリーまで 50歳からの賢い住宅購入

千日 太郎

同文舘出版

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