(※写真はイメージです/PIXTA)

上場株式や債券といった伝統的資産と呼ばれるもの以外を投資対象とするオルタナティブ投資。一般的に、オルタナティブ投資は伝統的資産への投資との相関性が低いとされており、伝統的資産への投資とオルタナティブ投資を組み合わせることで、リスクを分散する効果が期待できます。しかし、投資前に理解すべきリスクもあります。本連載では、オルタナティブ投資を始めるにあたり知っておきたい様々なトピックについて、専門家が分かりやすく解説します。

「オルタナティブ投資」の特性

「オルタナティブ投資」とは、公開市場で取引される株や債券以外のものへの投資の総称です。ではなぜ、わざわざ伝統的な投資と「オルタナティブ投資」を区別する必要があるのでしょうか。

 

その理由は、後発組である、という歴史的な背景で区別されているだけではなく、その特性に大きな違いがあるからです。その差異とは主に、投資の結果であるリターンと、流動性(=売買可能な頻度)の2点が挙げられます。

特性① 収益性(リターン)について

一つめのリターンに関して説明します。まず、伝統資産の場合にはそれを取引する公開市場があります。そのため、投資家が手にする収益性(=リターン)は、相対的に公開市場の変動に多くの影響を受けざるを得ない傾向があります。これをβ(ベータ)値が高い、もしくは、市場との相関関係が高い、と表現します。

 

一方で「オルタナティブ投資」は、そもそも当該資産の公開市場がないため、こうした公開市場との相関関係が低いのが特徴です。

特性② 流動性(=売買可能な頻度)について

次に、2つ目の流動性(=売買可能な頻度)の違いに関して説明します。まず、伝統的な株・債券は公開市場があり、市場取引ができるため、日次での売買が可能です、

 

一方で「オルタナティブ投資」は、公開市場のない、プライベート・アセットと呼ばれる未公開株などへの投資です。プライベート・アセットへの投資戦略は通常5年、10年といった中長期での投資となります。すなわち、「オルタナティブ投資」は流動性が相対的に低いと言えます。

 

例えば、未上場株の大半を取得して経営権を取り、企業の経営改善を行うプライベート・エクイティ投資のバイアウト戦略などを行う場合を思い浮かべてください。投資家が企業価値の上昇を施し、売却先を見つけ、利益を確定するのには、年単位の期間が必要であることが想像できるかと思います。

 

その期間中にその未上場株が、日次株式市場で取引されるような機会は基本的になく、たとえあったとしても非常に限定的です。こうした理由から、プライベートアセット戦略は「低流動性資産」とも呼ばれます。

 

では、市場で取引されないものに投資をする場合、投資家はいかに情報を得て、投資判断を行うのでしょうか? 私見ではありますが、これはプロの投資家でない限り非常に困難だと考えます。

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