投資を委託する、ファンド投資という選択肢
なぜなら、判断材料となる情報へのアクセスが難しいからです。しかし、プロの投資家に資金を預けるという方法はあります。これがファンド投資となります。
プロの投資家であるファンドマネージャーが運用するプライベート・エクイティ・ファンドや不動産ファンドに投資をすれば、投資する対象の選択、タイミング、売却のタイミングなどをプロに任せることで、分散投資を実現し、その収益の分配を受けることができます。
従って、「オルタナティブ投資」のなかでも、プライベートアセット投資については、よっぽど個人の情報の優位性がない限りは、プロの運用するファンドに投資委託する、というのが賢明ではないかと思うのです。
さらにここでは、ファンド投資に焦点を当てて、そのリターンと流動性の特性について見ていきたいと思います。一言で「オルタナティブ投資」といっても様々な戦略があり、その特性によってリターンや流動性が異なります。
「オルタナティブ投資」を戦略別に比較
下記の表は、あくまで各戦略の平均的なリターン水準とファンドの流動性を示しています。これを見ても分かるように、創業したばかりのスタートアップ企業に投資をするベンチャー・キャピタルと、毎月の安定した家賃収入でインカムを得ようとする戦略ではリターン水準も流動性も大きく異なります。
ここで注意しておきたいことは、「オルタナティブ投資」は、運用者のパフォーマンスの格差が大きい傾向があるという点です。要はマネージャーの腕により、リターンもかなり変わるため、優良な運用マネージャーを選んで投資する、ということが重要になってくるわけです。
シデナム 慶子
LUCAジャパン株式会社 代表取締役CEO・共同創業者