かつて第3次世界大戦を回避したケネディ大統領
2021年12月8日、ロシアがウクライナ侵攻に向けて国境に軍を集めているさなか、バイデン大統領は、ロシアが侵攻した場合に米軍をウクライナに派遣することは「検討していない」と述べました(12月9日BBCNEWS)。
アメリカの大統領が、「米軍が出たらロシアと第3次世界大戦になる」として、軍を送らないと発言したことが、プーチンの最終決断を促したと考えるのが当然だろうと私は思います。
1962年10月、当時のソ連がアメリカの喉元に相当する中南米キューバに核ミサイル基地を設置。時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディが憤慨し、核戦争一歩手前までの深刻な事態が起きました。「キューバ危機」がまさにそれです。
ギリギリで核戦争は回避されましたが、このときケネディ大統領が第3次世界大戦も辞さない覚悟でロシアに強く臨んだことで、ソ連のフルシチョフ書記長に妥協を選択させたと言われます。
ケネディは全面戦争となっても勝利する自信があったが、フルシチョフにはなかった。それでソ連はキューバのミサイル基地を撤去したわけです。ケネディ大統領の迫力に気圧された感です。それが今は逆。バイデン大統領がプーチン大統領に気圧されている感がある。
「○○ショック」は常に買い場
問題は、この度の事態に対し、投資家としてどう対処していくかということです。過去のデータから、第1次世界大戦、第2次世界大戦でも、株価はいったん暴落しながらもその後持ち直しています。高騰さえしているのです。
それは湾岸戦争、イラク戦争、アメリカ同時多発テロ、ロシアのクリミア半島併合時も同じでした。戦時で最初にドンと下げても終戦に向かえば必ず元値を取り戻しに来る。その普遍の波動を忘れてはいけません。だから有事は買いなのです。
図表1,2のチャートを見てください。有事の際に暴落した株価が、V字回復していることがよくわかるはずです。時間の波動、価格の波動で調整が入るだけなのです。
株価の調整は時間と価格で行われます。時間の波動か価格の波動、あるいはその両方で調整が行われる。それはもう過去のデータから不変のパターンです。〇〇ショック、〇〇クライシスとメディアが喧伝するときはすべて買い場です。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長